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講義No.07104

世界“最硬”のダイヤモンドって?

高圧実験で地球内部の環境を再現

 地表からは直接採掘することのできない地球の内部にある岩石や鉱物を、実験的につくり出して調べている研究分野があります。
 大型の「マルチアンビル装置」と小型の「ダイヤモンドアンビルセル」という2種類の高圧発生装置を用いると、最高360万気圧・6,000℃という地球の中心に相当する超高圧高温環境を再現することができます。こうして地球内部の構成鉱物を合成し、その物性や化学組成などを調べています。さらに近年では、この技術を応用してダイヤモンドをはじめ、新しい硬質材料の開発にも力を入れています。

ナノ多結晶ダイヤモンドの誕生

 ナノ多結晶ダイヤモンドは、こうした実験の失敗から偶然できました。実験中に試料の加熱を行うグラファイト(黒鉛)ヒーターが制御不能になり、瞬間的に高温が発生してしまいました。回収した試料を確認してみると、グラファイトの一部にキラキラしたものができていたのです。それは高圧高温でグラファイトが直接ダイヤモンドに変換した姿でした。高圧下でグラファイトからダイヤモンドができることはそれまでにも知られていましたが、鉄などの金属触媒を用いて比較的低圧で合成する方法が主流でした。触媒合成法でつくられるダイヤモンドは単結晶であるのに対し、偶然から生まれたグラファイトからの直接変換ダイヤモンドは多結晶であるため全体的に割れにくく、最も硬い物質として知られる通常のダイヤモンド(単結晶)よりもさらに優れた硬度と耐摩耗性を持っていたのです。大きさも今では直径1㎝くらいのものがつくれるようになりました。

工業製品への応用も始まっている

 ナノ多結晶ダイヤモンドの優れた硬度と耐摩耗性を利用した製品は、市販も始まっています。多くは硬質材料の精密加工に使うドリルなどの切削工具ですが、(人工関節などに使われる)タンタルなどのやわらかい金属の精密表面加工にも有効であるなど、さまざまな分野への応用が期待されています。高圧技術を材料科学に生かすこうした試みは今後もさらに進んでいくでしょう。

世界最硬のダイヤモンドのつくり方

夢ナビライブ2015 大阪会場

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ダイヤモンドの合成法

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この学問が向いているかも 鉱物学、高圧科学、材料科学、地球科学

愛媛大学
理学部 地球科学科 准教授
大藤 弘明 先生

メッセージ

 私は地球の内部を構成する鉱物の結晶構造や化学組成などについて研究しています。実験的にそのような鉱物を合成するために高圧発生装置を使っていますが、最近ではこの装置を用いて地球内部の鉱物だけでなく、ダイヤモンドや新しい硬質材料の合成・開発にも力を入れています。特に愛媛大学で発明されたナノ多結晶ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンドより優れた硬度や耐摩耗性を持ち、新しい材料として期待されています。鉱物が好きな人、新しい材料をつくってみたい人は、ぜひ私たちと一緒に研究しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 小学校の夏休みの自由研究で「河原の石の観察」に取り組んだときに、石に興味を持ちました。その後、売られていた水晶の透明感と幾何学的な形に魅了され『鉱物採集のハンドブック』を片手に、休みのたびに父と日本各地の鉱山や鉱物産地を巡り、鉱物を採集していました。それは、まさに宝探しそのものでした。その頃から、将来は鉱物の研究をする研究者になりたいと思うようになっていました。大学では鉱物学だけでなく、岩石学、地質学まで広く学び、鉱物の微細組織や構造を電子顕微鏡を使って観察することの面白さに気づいたのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

セラミックスメーカー研究員/大学機関研究員/研究機器製造販売

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大藤 弘明 先生がいらっしゃる
愛媛大学に関心を持ったら

 愛媛大学は、「学生中心の大学」の実現をめざして、学生の視点に立った改革を進めています。そして、すべての学生が入学から卒業までの過程で、自立した個人として人生を生きていくのに必要な能力を習得することをめざしています。そのため本学では、正課教育のほか、正課外のサークル活動(正課外活動)やボランティア活動、留学、下級生への学習支援(準正課教育)等を通じ、その能力を磨くための多くの機会を設けています。あなたの可能性が広がる学び舎、それが愛媛大学です。

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