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講義No.06584

特殊な装置でリハビリテーション~歯科技工士に求められる技術~

顔や顎の形が変わる患者さんをサポート

 顎顔面補綴(がくがんめんほてつ)とは、がんなどの病気や事故で口の中や顔の形に欠損が生じる患者さんに対して、それを埋めるような特殊な義歯や、「エピテーゼ」と呼ばれる体の表面につける人工物で補うことです。顔や口腔内にはとてもたくさんの機能が集まり、繊細な形や動きがあるので、作ったらさあ終わりとなるのではなく、変化する患部に合わせて調整したり、使いながらリハビリテーションしたりする作業がともないます。ですから歯科技工士は、手術前から歯科医師とともに、患者さんの状態を把握しながら装置を準備することが必要です。口の中が変わることで、食べ方に工夫が必要になったり、会話がうまくできなくなったりすることは患者さんにとっては大きなストレスです。患者さんの気持ちを理解しながらリハビリを進めるのは、カウンセリングのような側面もあるかもしれません。

3Dやグラフィック作成ソフトなどを駆使

 歯科の詰め物や差し歯の型と同じように、顎顔面補綴にも型取りが必要です。しかし今までの方法では、体力や時間の面で、医師にも患者さんにも負担が大きいものでした。最近ではコンピュータのグラフィックイメージを作成するCAD/CAMや3Dのソフトを利用できるようになってきました。手術の概要を把握したり、装置の説明をする際、3Dソフトで立体的に表現できればスムーズにいくことも多いのです。

装置を作る技術とセンス

 顎顔面補綴は手術を担当する外科医師、装置を考える歯科医師と装置を作る歯科技工士の共同作業で進んでいきます。ですからチーム医療の連携が大事になります。
 歯科技工士は材料や工法、骨の形などの知識はもちろん、手術によって想定される形を把握する判断力も身につけなくてはなりません。また装置の製作やエピテーゼで表面をきれいに作る作業はとても繊細で、エピテーゼはさながら特殊メイクのような技術を使います。形を作ったり、色づけをする美的センスも求められるのです。

義歯が活躍! 口腔がんのリハビリテーション

夢ナビライブ2014 東京会場

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この学問が向いているかも 顎顔面補綴学

東京医科歯科大学
歯学部 口腔保健学科 口腔保健工学専攻 准教授
大木 明子 先生

メッセージ

 歯の治療で金属の詰め物や差し歯を入れてもらったことがありますか? 歯科医師がむし歯で欠けた歯や抜いた歯の型取りをした後、その型を元に一人ひとりにぴったり合う詰め物や入れ歯を作るのが歯科技工士です。
 入れ歯や差し歯を作るための講義や実習のほか、材料や理工学などの基礎知識、最新のコンピュータを用いた方法を学びます。病気で飲み込みがうまくできない患者さんの使う装置を作り、リハビリテーションに関わることもできます。ものづくりのスペシャリストとして活躍するため一緒に学んでいきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 顎顔面補綴学(がくがんめんほてつがく)という、手術や事故、先天性の原因などで顔や口の中に欠損が生じる患者さんのための特殊な入れ歯や表面を覆う人工物の研究をしています。大学に入って初めて顎顔面補綴学のことを知り、食事や会話に困っている患者さんを助ける技術に感銘を受けました。病気は手術をすれば治ると思いがちですが、実は患者さんにとっては手術の後も大変なのです。装置をつけてリハビリを行うことで障害を克服し、手術する前から社会復帰をした後にいたるまで、サポートをすることの大切さを実感しています。

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大木 明子 先生がいらっしゃる
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 東京医科歯科大学は、医学・歯学・保健衛生・口腔保健からなる医系総合大学であり、高い倫理観を備えた医療人を養成します。社会の要請に応え得る医師、歯科医師、コ・メディカルスタッフの養成は勿論、世界の第一線で活躍し得る研究者、指導者の育成を目指しています。したがって、大学は勉強するところではなく、勉強する方法を自ら学び、自律するための場であるとの認識を学生諸君に徹底しています。

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