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講義No.06402

考えたことが見えちゃう!? 脳内の情報の映像化をめざす

頭の中は映像化できるか?

 自分が見たものを誰かに伝えるとき、相手がまったく同じ映像をイメージできるように説明することは、容易なことではありませんが、見たものをそのまま映像にできれば、誰にでも簡単に伝えられます。しかし、そんなことができるのでしょうか?

脳内の電気信号と血流の変化で刺激を判別

 人間がものを見るとき、その映像は網膜でとらえられ、電気信号に変換され、神経線維を介して脳に伝えられ、そこで映像の内容が認識されます。こうした一連の情報処理は、脳内のたくさんの神経細胞(ニューロン)が電気信号をやりとりすることによって行われます。そのとき生じた電気信号は、わずかですが、脳の外に漏れ出ます。また、神経細胞が働くとき、酸素が必要になるため、血液の流れにも変化が出ます。そこで、こうした微弱な電気信号や血流の変化のパターンをとらえることで、人間が見た映像の内容を読みとってそのまま映像化しようという研究が進められています。
 例えば、車の映像とバイクの映像を何回も見せ、それらの映像を見ているときの脳内の電気信号や血流変化の違いを分析することで、それぞれの映像を見ているときの脳の反応の特徴をとらえます。こうした方法により、映像ごとの脳の反応の特徴から、逆に、どんな映像を見ていたかを判断するというわけです。この研究がさらに進めば、将来、頭の中で考えたことでさえ読みとることができるようになるかもしれません。

考えただけで操作できる車椅子も可能に

 頭の中で考えたことを読みとれるようになれば、さまざまなことが可能になります。例えば、絵を描くのが苦手な人でも、自分が思い描いた通りの車や洋服をデザインできるかもしれません。あるいは、頭で考えただけで、自由に操作できる車椅子をつくることも考えられます。さらに、言葉を失った人ともコミュニケーションができるようになるかもしれません。こうしたことが実現できれば、健常者はもちろん、障がいのある人たちも、暮らしやすい便利な社会をつくることができるでしょう。

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この学問が向いているかも 情報理工学、神経科学

電気通信大学
情報理工学域 Ⅱ類(融合系) 計測・制御システムプログラム 教授
宮脇 陽一 先生

メッセージ

 コーヒーをこぼさないように飲むなど、人間にとって当たり前なことも、ロボットには簡単なことではありません。人間の動作をコントロールしているのは脳であり、その仕組みを解明することは、ロボットをより賢くすることにもつながります。我々が取り組んでいる脳の分野をはじめ、最先端の研究は、いろいろな知識や技術の融合により、切り開かれていきます。ですから、今、あなたが取り組んでいる勉強も将来、必ず役に立つときがきます。自分の興味のある分野や選択した分野の勉強をしっかりしておくことをお勧めします。

先生の学問へのきっかけ

 大学時代は応用物理学を学んでいましたが、ある日ラジオで聞いた話題から、脳の研究への転向を決めました。それは、目の不自由な人たちがサッカーをするために、音の出るサッカーボールを日本の電機メーカーが作ったという話でした。「音の出るサッカーボールを作るのではなく、網膜を人工的に作って、その電気信号を脳に送ることができたら、目の不自由な人もサッカーができるかもしれない」、そう考え、視覚と脳の研究に取り組むようになりました。神経科学と情報科学の両面から脳の仕組みを調べ、その可能性を探っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁/システムエンジニア/データ・サイエンティスト/機械開発など

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宮脇 陽一 先生がいらっしゃる
電気通信大学に関心を持ったら

 電気通信大学は、東京にある理工系国立大学で、「工学」と「理学」のうち、特に情報分野および理工分野を核とした教育研究を行っています。先端科学技術を支える全分野、例えば、情報、通信、電子、知能機械、ロボティクス、光科学、物理、量子、化学、物質、生命などの分野を網羅しています。社会で活躍する人材の育成をめざし、ものづくりに意欲を燃やす学生の期待に応える教育環境を提供します。

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