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鳥取大学 医学部の教員によるミニ講義

関心ワード
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イモリが、人類の未来を救う?

シャーレでどうやって心臓を作るのか?

 ノーベル賞を受賞したiPS細胞は、未来の再生医療の切り札として期待されています。しかし、例えば細胞から臓器を作ろうとする場合、最初はシャーレで培養するのですが肺や心臓などの大きさになるまで、どのように作製するのかは、これからの研究を待たなければなりません。

イモリは脳まで再生できる!

 カエルの仲間の両生類にイモリがいます。イモリは再生能力に優れています。再生とは赤ちゃんの頃の体つくりの過程をもう一度やり直すことです。イモリでは心臓を半分切り取っても元通りになります。また脳の一部を取り去っても、元に戻します。足を途中から失っても、切れた部分から生えてきて指まで再生します。眼のレンズを失っても、もう一度作ることができます。このほか、尾も再生します。トカゲも尾を再生しますが、イモリは骨まで元通りになります。
 なぜこのようなことができるか、同じ脊椎動物であるイモリとマウスとの比較研究が行われています。イモリが心臓を再生できるのは、マウスではできない心筋細胞を増殖させられるからであると考えられています。細胞の増殖をコントロールしている仕組みほとんどの脊椎動物では同じですから、イモリのこの心筋脂肪の制御システムが解明されれば、マウスでも再生が可能になるかもしれません。イモリの再生能力がなぜ高いのかについて、遺伝子のゲノム情報の分析による解明も進められています。

将来の再生医療に向けて

 実は、イモリはがんになりません。再生するということは、赤ちゃんからの成長を再現することと同じです。その過程で細胞が、がんになりやすくなると言われています。iPS細胞の問題点も、細胞が、がん化する可能性があることです。
 逆に考えると、イモリはがんにならないので再生ができるのかもしれません。「再生」と「がん」には何らかの関係性があることも考えられます。将来、イモリの再生の仕組みが完全に解明され、人間の再生医療に応用できる日が来ることが期待されています。

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この学問が向いているかも 発生生物学


医学部 生命科学科 准教授
林 利憲

メッセージ

 大学で学んだり、研究したりするのにいちばん大切なことは、その学問分野にとことん興味を持ち、どこまでも探究したくなる気持ちだと思います。今はまだ生命科学という分野で自分がどんな勉強をするのか、どんな研究をするのかという具体像がなくて当たり前だと思います。それよりも理科や科学に打ち込みたいという、強い興味を持った人たちと一緒に研究したいと思います。ぜひ私たちと一緒に、イモリとマウスを通して生命科学の研究をしましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から生き物が好きで、海の近くに育ったこともあり、海洋生物学を研究しようと考えていました。しかし大学時代、塩川光一郎の『発生生物学』という本を読んで衝撃を受けました。遺伝子や細胞を研究することで、この世の生き物のすべてが説明できることを知り、こんなにおもしろい学問があるんだと、方向転換したのです。
 イモリの高い再生能力を、将来は人間の再生医療に生かしたいと日夜研究を続けています。

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