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講義No.06180

「地図」はコミュニケーションの手段

砂漠を移動するときの目印は?

 私たちは目的の場所に行くときに、駅やお店、交差点などを目印に移動します。では、周囲に何もない砂漠や雪原の場合、何を目印に移動するのでしょうか? アフリカのカラハリ砂漠で調査したところ、現地の人々は、私たちとは異なる視点を持っていることがわかりました。例えば、私たちにとっては見分けがつきにくい樹木でも、現地の人々には、「食べ物を採集する木」「儀式をする木」などという目印になり、生活に密着した個別の場所として見分けることができるのです。

土地に詳しくても地図は描けない

 次に、現地の人々に地図を描いてもらいました。現地の人の多くは、地図を見たことがありません。土地を熟知する狩りの名人に描いてもらったところ、私たちがよく知っている方角や目印の位置関係を記した地図にはなりませんでした。ところが、小学校高学年の児童は詳細な地図を描けることがわかりました。つまり、地図を描いたり読んだりする能力は、学校教育によってもたらされるものだったのです。

メッセージを効果的に伝える手段

 私たちは普段、地形図のように正確な地図ばかりを見ているわけではありません。でも例えば、鉄道の路線図は方位や距離、縮尺が正確でなくても、駅の順番と接続を示してありさえすれば、目的の駅までたどり着くことができます。地図は、単純化やデフォルメなど意図的に加工することで、発信する側のメッセージを伝えることができるのです。地図には、情報を効果的に伝えるコミュニケーション手段としての役割があるというわけです。
 近年は、GIS(地理情報システム)の普及でデジタル化が進み、地図の加工が容易になったため、統計データなどと組み合わせて新たな情報を提供することもできるようになりました。また、ナビゲーションシステムを使えば、地図が読めなくても目的地に到着することが可能です。地図と人との関係は、日々変化していると言えます。

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この学問が向いているかも 地理学

名古屋大学
文学部 環境・行動学コース 教授
岡本 耕平 先生

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メッセージ

 地理学は、自然科学から人文・社会科学まで幅広い領域におよぶ学問です。地理学教室では、地図や鉄道、旅行、動物など、いろいろなものに興味のある学生が学んでいます。「好きなことが、どの分野にあてはまるかわからない」「関心のあるテーマはあるけれど、既存の分野にあてはまらない」というあなたは、ぜひ大学で地理学を専攻してほしいと思います。多様な関心を持つ学生と同じ教室で学んで刺激を受け、フィールドワークで実際に土地に足を運び、あなたの視野がグッと広がることを約束します。

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 名古屋大学は、研究と教育の創造的な活動を通じて、豊かな文化の構築と科学・技術の発展に貢献してきました。「創造的な研究によって真理を探究」することをめざします。また名古屋大学は、「勇気ある知識人」を育てることを理念としています。基礎技術を「ものづくり」に結実させ、そのための仕組みや制度である「ことづくり」を構想し、数々の世界的な学術と産業を生む「ひとづくり」に努める風土のもと、既存の権威にとらわれない自由・闊達で国際性に富んだ学風を特色としています。この学風の上に、未来を切り拓く人を育てます。

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