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広島市立大学の教員によるミニ講義

関心ワード
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  • 歴史、
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  • 芸術

大学で絵画を学ぶ意味

そもそも大学で絵画を学ぶ意味なんかあるのか

 うまくないといい絵は描けないのでしょうか。そんなことはありません。素人のおじいさんが描いた絵に胸を打たれることもありますし、幼稚園児のお絵描きに強い魅力を感じることもしばしばあるでしょう。“いい絵”なら誰だって描ける、それも絵画が持つ素晴らしい側面です。だとすればこう考えることでしょう。「そもそも大学で絵画を学ぶ意味なんかあるのか。」
 思えばあなただって、なんらかの美術教育を受けてしまったのです。もし幼稚園児のような絵画を描いたとしても、実はそこには作為が混じります。我々はもう既に無垢ではないのです。

絵画はもういらないの?

 19世紀に写真が普及されて以後、絵画は特権の多くを剥奪されてしまいましたが、そこから絵画の新しい歴史が始まったのです。悪くいえば絵画の延命手段を、あの手この手で考え続けた歴史であるかもしれません。多くのスタイルが試され、果てはものを描かない絵画なども現れて、もう絵画に新しさを求めるのは無理かもしれない、そんな地点にまで行き着きましたが、幾度も「絵画は死んだ」と宣告されてきたのにもかかわらず、現在も世界中で描き続けられていますし、考え続けられています。そしてみんながそれを楽しんでいます。これをどう理解すればよいのでしょうか。

絵画を考え続けよう

 今日、絵画などにこだわらなくても、いろいろな表現が現れては消えてゆきます。確かに視覚、平面、という縛りがある絵画は、素材や手法の目新しさでアピールすることが難しいのは事実ですが、絵画を簡単に見切ってほしくありません。人間の最も古く根源的な表現活動なだけに、そこにはまだ多くの研究すべきスペースが残されています。学生には芸術という耕地の中で、自分がどの地点にいるのかという、歴史の理解が不可欠です。その上で貴重な時間を捧げるに足る課題を見つけて、描き、考え続ける、そのための純粋な試行錯誤の場を、そして仲間を得られることが、大学で絵画を学ぶ価値であるかもしれません。

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芸術学部  准教授
諏訪 敦

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メッセージ

 高校生のあなたにとっては、「大人は信用できないもの」に見えるかもしれません。実は魅力的な大人たちは社会に多く隠れています。見いだせないだけ。私自身、会う前と後では物の見え方が変わってしまうような決定的な出会いに恵まれ、自分が形作られたと、現在は思えるのです。
 そういった機会は必ず誰にも訪れますが、その時に自分が受け入れる姿勢でなければ、「つまらないおっさん」とスルーしてしまうかもしれません。人生の指針にもなり得た出会いを「つまらないおっさん」にしてしまわないよう、おおらかであってほしいと思います。

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