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講義No.06109

音の研究を通じて生活を便利・快適にする「音響システム工学」とは?

生活に深く関わる音について幅広く研究

 ボーカロイドの「初音ミク」がネット上で人気を集めたり、iPhoneの音声案内サービス「Siri」の合成音が話題になったりと、音の問題は私たちの生活の中に深く関わっています。そうした音と人間の感覚、機器の利便性や快適性などについて研究するのが、「音響システム工学」の学問分野です。音(サウンド)の問題は、視覚(ビジュアル)と比較すると、まだまだ未開拓の領域が大きいテーマです。その核となる技術は、人間が音を聞き取る仕組み、音の測定、音の制御、そして音を使ったアプリケーションの4つの分野から成り立っています。

騒音を減らしたり、音を創り出したり

 音の問題として、まず挙がるのは騒音を低減させる「静音化」であり、住宅をはじめクルマや船舶、飛行機など、さまざまな空間で求められています。具体的には、「アクティブノイズコントロール」と呼ばれる、騒音の周波数と逆位相の周波数を使って音を音で打ち消す手法が使われます。
 また逆に、電気自動車のように、クルマの走行音が静かになりすぎたため、歩行者が気づきにくいという危険性が発生しています。人が不快に感じることなく、しかも気づきやすい人工音を付加する研究を行っています。さらに福祉関係では、喉頭がんなどで声を失った人に対して、口の動きや皮膚の振動を音声に変えるシステムも開発しています。

音に対する文化や心理面での快適性も重要

 そうした人工音の種類や大きさを決める基準としては、人間の認知科学をベースにした人間工学の視点や技術が使われます。また、音に対する文化や国民性も考慮する必要があります。例えば、虫が鳴く声に風情を感じる日本人と、騒音と感じる欧米人の違いです。そうした音の持つ官能性(感じ方)や快適性の測定もサウンドデザインの重要なテーマです。心理学や物理学、制御など、多角的な側面から音に対してアプローチできるのが、音響システム工学の面白さと言えるでしょう。

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この学問が向いているかも 音響工学

広島市立大学
情報科学部 システム工学科 教授
石光 俊介 先生

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メッセージ

 高校生のあなたは、いろいろな大学情報を集めて、どの大学に行こうか迷っていることと思います。迷うことは重要です。自分で考えることを放棄せず、時間をかけていろいろ考えたうえで、自分の進む方向を見つけてください。
 そのためには、大学の研究室でどういう研究をしているのか、そして、その研究室で自分がやりたいことを実現できるのかというところから、考えてみるのも、ひとつです。その中でももし、音響やサウンドデザインをやりたいと思ったら、ぜひ広島市立大学システム工学科へ来てください。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教教員、高専教員、官公庁研究員、自動車メーカ研究開発員、医療メーカ設計、電機・通信開発設計、オーディオ開発、電力設計、造船所設計

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石光 俊介 先生がいらっしゃる
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 広島市立大学は、広島市の都市像である「国際平和文化都市」にふさわしい大学づくりをめざして、1994年に「科学と芸術を軸に世界平和と地域に貢献する国際的な大学」を建学の理念として開学しました。
 世界と地域が求める新しい時代の要請に応えるため、「国際、情報、芸術、平和」をキーワードに、特色ある教育研究活動を通じ、学術の振興と感性豊かな創造力、実践力を備えた人材を養成し、教育研究の成果を地域に還元するとともに広く世界に発信しています。

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