夢ナビWebセレクション

福岡大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 超伝導(超電導)、
  • 宇宙、
  • 電気抵抗、
  • MRI、
  • 磁石、
  • リニア中央新幹線、
  • エネルギー、
  • 電気、
  • 磁場、
  • 化学、
  • がん(癌)、
  • 骨、
  • 飛行機、
  • ネットワーク

より地球に優しく便利な生活を実現してくれる「超伝導」

超伝導の不思議「2つのゼロ」

 特別な物質を-196度くらいまで冷やすことにより、電気抵抗がゼロになる現象のことを「超伝導」と言います。例えば、電信柱にある送電線の電気抵抗は小さいですが、ゼロではありません。遠くに大量の電気を送ると、途中で少しずつ電気エネルギーが失われてしまいます。しかし、超伝導体の送電線なら電気抵抗がゼロなので、電気エネルギーを損失せずにより多くの電気を送ることができます。
 そして超伝導にはもう1つ、内部磁場がゼロという特徴があります。例えば、鉄と磁石がくっつくというのはよく知られている性質です。これは鉄が磁力線を引き付けるため磁石にくっつくのですが、逆に超伝導体は磁力線をまったく寄せ付けないため、超伝導体に磁石を近づけると反発するのです。

身近で活用されている超伝導

 超伝導は実際に、身近なところで活用されています。その1つがMRI(磁気共鳴撮影装置)です。強力な超伝導電磁石を使用して、X線では見えない骨の裏側や軟組織、がんなどを詳しく診ることができます。
 また、現実味を帯びてきたのがリニア中央新幹線です。JRは2027年までに東京―名古屋間でリニア中央新幹線を開業させることを発表しています。リニア中央新幹線は磁気が反発しあう特性を生かし、強い磁場を作ることで重い車体を浮上させて速く動かすことができます。二酸化炭素排出量も飛行機の半分で済むので環境に優しい乗り物としても注目されています。また、超伝導の送電線も実証試験に入り、実用化に向けて研究が進んでいます。

超伝導が活躍する未来に向けて

 まだ実現化には時間がかかりますが、宇宙へのスペースプレーンの発射に活用するという構想もあります。超伝導リニアを応用すれば500km/hまでの助走部分を担当し、初期加速燃料を節約できるというアイデアです。
 超伝導の送電線ネットワークを世界規模で作ることができれば、エネルギー問題の解決にもつながります。常温で超伝導になる化学物質の研究が進めば、もっと便利で地球に優しい未来が訪れるでしょう。

参考資料
1:超伝導体について
1.0倍速 1.4倍速

超伝導の不思議と未来につながる科学技術

夢ナビライブ2014 福岡会場

アイコン

第3番目の産業革命時代

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 物質科学、物理学、ナノサイエンス


理学部 物理科学科 教授
西田 昭彦

メッセージ

 超伝導とは特別な物質を冷やすと抵抗がゼロになり、電流が永久に流れ続けたり、磁石が浮き上がったりする現象です。この性質を利用してリニア中央新幹線が計画されています。超伝導が世の中で役立つためには「なるべく高温で超伝導になる物質を作り出すこと」「より大きな電流や磁場が発生できること」が重要です。研究の基礎となるのは物理学と数学ですが、化学、電気・電子工学などの分野とも深い関わりがあります。最近では医学、薬学への応用も視野に入っています。あなたも、得意分野を生かして学際的な研究に取り組んでみませんか?

先生の学問へのきっかけ

 私は、愛知県豊田市の出身です。ご存じの通り、豊田市は自動車メーカー「トヨタ」がある街として有名です。自動車の街で育ったことから、機械が身近にある環境で、幼い頃から父が壊れたバイクを自分で修理しているのを見ていました。そういった環境もあり、機械に興味を持つようになり、メトロノームを分解してその仕組みを調べたり、自分でラジオを作ったりしていました。子どもの頃から漠然と研究者になりたいと考えていたのですが、その夢が実現して、今は超伝導の研究をしています。

TOPへもどる

夢ナビロゴ

夢ナビ編集部copyright(c) 2008- Frompage Co.,Ltd. All Rights Reserved.