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岡山大学 環境理工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 洪水、
  • トンネル、
  • レントゲン、
  • 肥料、
  • 土壌、
  • 地球温暖化、
  • ゲリラ豪雨、
  • 植物、
  • 保全、
  • 環境、
  • 炭素、
  • 二酸化炭素(CO2)

土壌の管理保全が、地球環境を守る

炭素をいちばん貯蔵している土壌

 二酸化炭素が増加して地球が温暖化していると言われています。植物も炭素を貯蔵しますが、陸域では土壌が最大です。植物の約3倍の量を持っています。ところが、乱開発や管理放棄されてしまうと土壌から二酸化炭素が放出してしまいます。実は土壌の維持管理をすることが地球環境の保全になるのです。
 最近はゲリラ豪雨と呼ばれる大雨がよく降ります。土壌環境が保全されていれば水を吸って保水し、土壌の中でゆっくりとした速度で川に流します。しかし、いまでは植物が全く生えていない土壌もあり、強い雨が降ると洪水になってしまいます。土壌の管理は水の循環を正常な状態に維持するためにも役立つのです。

土の中には穴がある

 土壌の中には、人間の身体と同じように血管のようなものがあります。動脈や静脈、毛細血管のように長く伸びたトンネルのような穴が張り巡らされているのです。これらは植物の根の跡です。地面からは見えませんが、レントゲン撮影すると植物の根がどのように張っていたかがわかります。これは「マクロポア」と呼ばれるもので、上手に利用すると土壌保全に利用できます。

肥料は節約できる

 汚染された土壌に薬液を与える場合、薬剤の分量や圧力を制御して広い範囲に行き渡らせたり、局所的に集中させたりできます。農地で肥料を与える場合、必ずしもすべてが植物に及んでいるのではありません。漏れ出して無駄になっている肥料も少なくありません。与えすぎによって地下水に混じってしまって、汚染の原因にもなりかねません。そこでマクロポアを使って与える範囲を調節して肥料を与えれば効率よく植物に届けることができます。少ない肥料で植物を育てられるのです。肥料に使われているリンは100%輸入に頼っていて価格も高く、供給が不安定になることも考えられるので、肥料量の節約は農家にとって重要な課題です。土壌にあるマクロポアをうまく利用すれば、地球の環境保全に貢献できるのです。

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陸域最大の炭素貯蔵庫「土壌」の劣化と修復

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この研究でできること

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この学問が向いているかも 環境学、地域環境工学


環境理工学部 環境管理工学科 教授
森 也寸志

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メッセージ

 あなたはいろいろなものに興味を持っていると思いますが、ぜひ「夢」を持って勉強するといいと思います。
 私は高校時代、物理や化学そして宇宙が大好きでした。大学で専門分野を土壌にしました。「土壌を学んで、その先どうしよう」と思っていましたが、土壌の研究を進めていくと、地球環境の保全に役立つことがわかってきました。もともとは農学で土壌を研究してきたのですが、夢が広がってテーマは地球科学に貢献する土壌の研究になってきました。あなたも夢を持ってがんばってください。

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