夢ナビWebセレクション

岡山大学 環境理工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 遊び、
  • タイル、
  • 粘土、
  • 殺菌、
  • 環境、
  • 光触媒、
  • チタン、
  • 地球、
  • 環境保全

粘土が地球環境を救う?!

粘土には層がある

 粘土といえば子どもの遊び道具がすぐに思い浮かぶかもしれませんが、実はとても興味深い性質を持っています。粘土は砂や土に比べて粒子が小さく、シート状の層構造になっています。そのため層と層の間に物質を挟み込むことができるという特性があります。

酸化チタンの性能をアップさせる

 粘土に酸化チタン(TiO2)を挟めば環境保全に役立ちます。酸化チタンは現在でも光触媒として使用されています。光触媒とは、光を当てることで強い酸化反応や還元反応が起こりやすくなり、さまざまな有機物を水や二酸化炭素などに分解するものです。自動車のバックミラーや道路のミラーなどに使われ、水がはねても流れ落ちるために曇らず、また油性の汚れも流れるのでビルや住宅の外壁やテントに応用されています。さらに酸化チタンをコーティングしたタイルを手術室の壁などに使用して、細菌やウイルスを酸化分解する殺菌効果を得ています。
 この酸化チタンを粘土に組み込めば分解性能が上がり、環境の浄化など幅広い応用が期待されています。酸化チタン単独では結びつきやすい有機物は分解できますが、近づいてこない有機物には効果がありません。しかし粘土に挟み込むことで、粘土に近づく有機物も酸化チタンで分解することができ、複合的な効果を発揮して分解効率が向上します。

環境浄化で活躍する

 酸化チタンを挟んだ粘土はもっと一般的な用途にも使用できます。川の護岸壁に設置すれば、水中にある細菌などを分解して汚染を防止し川をきれいに保つことができます。時間が経過してはがれても、もとが自然の中にある粘土と酸化チタンなので環境に負荷をかけることもありません。また魚市場の床に使用すれば殺菌効果が期待でき、もし魚に紛れて人間の口に入ったとしても体に害はありません。
 チタンを自然から取り出すコストなど、実用化にはまだハードルはありますが、近い将来の環境浄化の方法として期待を集めています。

再生スピードを変更できます。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 無機材料化学


環境理工学部 環境物質工学科 教授
亀島 欣一

先生の他の講義を見る
メッセージ

 高校生のあなたは、これから進学するに当たって、まずは、「理系に進みたい」、あるいは「文系に進みたい」、そのどちらかに決めなければならないと考えていると思います。まだ高校生の段階ですので、あまり文理選択ばかりを意識せず、もっと幅広い知識を吸収して大学に来てください。私は工学系にいますが、分野にとらわれない幅広い知識が研究を進めていくときや、自分の専門を決めるときにも重要であると考えています。岡山大学でお待ちしています。

先生の学問へのきっかけ

 科学が大好きで、小学生の頃は天文学者に、中学生頃にパソコンが登場した後は、LSIの設計者になりたいと考えていました。そこで、大学進学時は工学部の電気系を志望していましたが、実際には物質・材料系に進むことになりました。その後、学科配属で無機材料・セラミックスの分野へと進み、卒業研究生としてセラミックス原料を扱う講座に配属されました。研究室で「未知物質を探索する実験」を行った時に担当した物質が粘土鉱物の1つである「カオリナイト」という磁器の原料で、これが粘土鉱物を意識した最初のキッカケでした。

TOPへもどる

夢ナビロゴ

夢ナビ編集部copyright(c) 2008- Frompage Co.,Ltd. All Rights Reserved.