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岡山大学 環境理工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 歴史、
  • 方程式、
  • 隔離、
  • マスク、
  • 数学、
  • 医療、
  • インフルエンザ、
  • 感染、
  • 流行、
  • 検疫、
  • ワクチン、
  • 優先順位、
  • 新型インフルエンザ

病気の感染を広げないための数学

感染者数を予測する

 数学は医療分野でも活用されています。20世紀初めにマラリアの流行に関する研究が発表されて以来の歴史があり、現在も盛んに研究され、使われています。病気の流行によってどれくらいの人が感染するのかは数学モデルによって予測することができます。感染者の数の時間的な変化を調べることで、最終的な感染者数を見積もります。そして、感染者が少なくなる条件などを調べます。

対策を検討

 新型インフルエンザが日本に入ってきた場合、どのような条件によって流行が起こるのか、どのような対策が有効なのかも研究することができます。インフルエンザに感染した1人の人が1人以上にうつせば流行は拡大していきますが、1人未満であれば収束に向かいます。そのため、微分方程式にいろいろな対策の効果を当てはめて「1」以上にならないように検討します。対策として考えられるのはワクチン、マスクや隔離といった方法ですが、これらをどのように組み合わせていけば「1」以上にならないかを計算します。
 それぞれの対策にパラメータが対応していますが、例えばワクチンが全員分確保されているのか、限られた数なのかによってパラメータの値は変化します。新型インフルエンザに対するワクチンがまだ完成していない場合は、マスクと隔離だけで流行を防ぐことになるので、このような方法の重要度が増してきます。

流行を抑える

 ワクチンの数が限られている場合、接種をする優先順位を計算で調べることもできます。どのような人にワクチン接種すれば流行をより抑えやすくなるかを計算します。インフルエンザなどで子どもに率先して接種される場合が多いのは、学校などの集団で密接に交わっているので感染しやすく、家族などの大人にも拡大して流行が広まってしまう危険性が高くなるからです。ワクチン接種だけでなく、海外から日本に入る危険性のある病気に対して、医者を空港などでの検疫にどのくらい配置するのが効果的なのか、あるいは地域での医療がどのくらい効果的なのかも研究することができます。

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病気の流行と数学

夢ナビライブ2014 大阪会場

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この学問が向いているかも 生物数学


環境理工学部 環境数理学科 教授
梶原 毅

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メッセージ

 数学を使って、生物、生命や医療などの問題を研究しています。個体数の変化や人口問題、漁業資源なども数学で研究できるのです。生物の行動や進化を数学で考える研究もしています。病気の流行や感染したときの体の中の様子なども調べることができます。あなたが高校で習っている「数学Ⅲ」の内容を発展させた微分方程式などを使って研究します。それによって新しい数学の世界が広がっていきます。こうした研究が少しでも世の中の役に立てばと考えています。あなたも一緒に研究してみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 環境理工学部の環境数理学科に所属し、数学の研究を行なっていました。応用数学分野の講義を聞く機会があり、数学を使って環境、医学、生命科学などの問題を研究できることを知ったことが、興味持ったきっかけです。その後は、日本数理生物学会などでの交流を通して、研究の幅を広げています。
 研究分野の中でも、病気の「流行」は人間の生存に直接影響を及ぼす深刻な問題で、データも残されていることなどから、数学を用いた研究が非常に有効な分野であり、興味を持って研究しています。

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