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講義No.05656

触覚の「錯覚」が面白い~運動と触覚の関係を探る~

針金のハンガーを付けると頭が勝手に曲がる?

 私たちの「触覚」は、運動と強い関係を持っています。例えば、針金でできたハンガーを開いて頭に付けると、首が勝手に左右に曲がる、「ハンガー反射」と呼ばれる現象が起こります。なぜ、頭部に少し刺激を与えただけでこのようなことが起こるのか、頭にセンサーを付けて調べたところ、側頭部前方にツボのような場所があって、そこを圧迫することで起こることがわかりました。ほかにも、耳を引っ張られると、引っ張られた力以上に、引っ張られた方向に動いてしまうというようなことがわかっています。こうした発見は、「何の役に立つのだろう」と思ってしまうかもしれませんが、治療が難しい病気の、治療に活用しようという研究が続けられています。

研究者が注目するスマートフォン

 ここ数年、触覚の研究者が注目しているのはスマートフォンです。スマートフォンは従来型の携帯電話と比べ高機能ですが、フラットな画面を入力に使うため、文字を打ちにくいという指摘がされています。このため画面に触れた際にボタンを押している感触などを与えられないかといった研究が行われているのです。こうした感触をスマートフォンに組み込むには、薄くて液晶画面が使えるよう透明でなければならないなど難題は多いのですが、完成したら、いま以上にスマートフォンが便利になることは間違いないでしょう。

錯覚を見つけることから研究が始まる

 人間の感覚を扱う研究の面白さは「錯覚」にあるといえます。触覚の錯覚である「錯触(さくしょく)」という言葉も最近使われるようになりましたが、多くの錯触はごく最近発見されたものです。触覚の研究は、こうした錯触を見つけることからスタートするといっても過言ではありません。日常生活で不思議に思っていることがあれば、触覚を研究してみるといいかもしれません。

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この学問が向いているかも 情報理工学

電気通信大学
情報理工学域 Ⅰ類(情報系) メディア情報学プログラム 准教授
梶本 裕之 先生

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メッセージ

 私がアドバイスしたいことは、大学に入ってからの勉強をとても大切にしてほしいということです。私自身の経験でもそうでしたが、サークル活動などが楽しく、つい勉強がおろそかになってしまうことがあります。大学入学後の2、3年間にどれだけ勉強したかが、その後の研究や仕事に直接響いてきます。特に英語は人生の選択肢を大きく左右します。一方で多くの学生を見ていると、大学受験の際の学力がベースになって、大学で伸びていくようです。ですから今は人生で一番伸びる時期だと思って、がむしゃらに勉強してください。

先生の学問へのきっかけ

 私は触覚を中心とした錯覚現象とその応用の研究をしています。子どもの頃は典型的な工作大好き少年でした。中学、高校では、物理部に所属していて、将来はロボットや人工知能の研究をしたいと思っていました。このときに電子回路を作っていた経験が、その後の大学や大学院での研究にとても役立ちました。大学ではバーチャルリアリティ、触覚センサー、触覚ディスプレイなどについて研究しています。ロボットや人工知能の研究そのものというわけではありませんが、結果的に関連の深い領域の研究をすることになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ゲーム会社研究開発員/ソフトウエア開発会社SE/電子機器メーカー設計

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梶本 裕之 先生がいらっしゃる
電気通信大学に関心を持ったら

 電気通信大学は、日本初の電気通信単科大学として無線技術者の養成はもとより、電気通信科学のあらゆる分野にわたって古くから研究者や技術者を送り出してきました。先端科学技術を支える全分野を網羅し、電子・情報分野に特化した研究、教育を行うユニークな大学です。社会に信頼され、社会から頼りにされる大学を目指し、ものづくりに意欲を燃やす学徒の期待に応える教育環境を提供します。

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