夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.05628

長時間勉強さえすればよい成績が取れる?

日本の産業界が躍進した理由

 戦後、日本の復興に一役買ったのが、シューハートやデミングという統計・マネジメントの学者が提唱した「PDCAサイクル」という手法です。PDCAサイクルとは、Plan=目標を定めて達成プロセスを明確にし、Do=計画に基づいて実施、Check=目標を達成できたかを確認、Act=次のステップのための対策、という4つの手順から成り、この一連の流れを繰り返すことで事業をステップアップさせていくというものでした。その結果、日本の産業界は急成長を果たし、世界に台頭していくことになりました。

教育界にもPDCAサイクルを

 日本の急成長に危機感を抱いたアメリカは1990年代、産業界だけでなく教育界(学校)にもPDCAサイクルを導入したのです。学習型PDCAサイクルの目的は直接の成績アップよりもむしろ、漠然としがちな学習プロセスを視覚化し、自己調整力を養成することにあります。「受け身ではなく自発的に、バランスよく学習プロセスを組み立てなさい」ということです。一方、受け身の学習プロセスは、自己調整力が身につきません。学力の低下が顕著になる中、ようやく日本の教育界にも問題解決法としてのPDCAサイクルが有用ではないかという動きが出てきました。

将来にも役立つ力に

 部活と勉強の両方に力を入れている生徒と、勉強だけに時間を割いている生徒を比べた場合、確かに数字だけを見れば勉強だけの生徒の方がやや勝っていますが、部活と勉強の両方に力を入れている生徒もさほど劣っていません。時間をどう使い、どういう意識で取り組むのか、正しく調整できている生徒ほど、費やす時間を効率よく成績に結びつけているのです。培った自己調整力は状況を分析する力になるため、社会に出てからも役に立ちます。いたずらに時間を費やすのではなく、どうしたら効率よく時間を使えるか考えることが、現在の教育の場に必要な考え方と言えます。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 経営情報学、統計学、教育情報学

電気通信大学
情報理工学域 Ⅰ類(情報系) 経営・社会情報学プログラム 教授
椿 美智子 先生

先生の他の講義を見る 先生の著書
メッセージ

 自分の「得意」なものを生かして、社会の中で活躍してください。まずは勉強に力を入れ、いろいろな科目を得意にすることです。そして学んだことが何に生かせるのか、常にアンテナを張り巡らして調べ、人の話を聞くなどしてより深く知ってほしいのです。現在は「サービスの時代」とも言われています。将来、情報通信系も含めて、サービス分野の職業に就く人も多いでしょう。工学系の考え方や知識・技術を持って、サービス分野へ進むとさらに強みになります。

先生の学問へのきっかけ

 人はそれぞれ違うのに、同じ教育を受け、同じように評価されることに、中学生の頃から、疑問を抱いていました。のちに、それが研究のきっかけとなるのですが、学生時代は、工学分野で博士号を取る女性は珍しく、孤独感との戦いでした。そんなとき背中を押したのが、研究者だった両親や恩師に言われた「今度は、あなたたちが切り開く番」という言葉でした。オックスフォード大学に留学中、世界各国の女性たちと交流を持ったことで、ずいぶん充実した日々を実感できるようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

各サービス業種のマーケティング、データサイエンティスト、公共サービス部門システムエンジニア、総合研究所研究員、病院コンサルティング、会計システム設計・開発、品質分析

大学アイコン
椿 美智子 先生がいらっしゃる
電気通信大学に関心を持ったら

 電気通信大学は、日本初の電気通信単科大学として無線技術者の養成はもとより、電気通信科学のあらゆる分野にわたって古くから研究者や技術者を送り出してきました。先端科学技術を支える全分野を網羅し、電子・情報分野に特化した研究、教育を行うユニークな大学です。社会に信頼され、社会から頼りにされる大学を目指し、ものづくりに意欲を燃やす学徒の期待に応える教育環境を提供します。

TOPへもどる