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講義No.05501

人とロボットが共存するための課題とは

ロボットには「痛み」の感覚がない

 2足歩行の人型ロボットが登場するなど、より人間の生活に近い部分でロボットが活躍する時代が来ようとしています。しかし、人間とロボットが共存していくためには、まださまざまな課題があります。そのひとつが、ロボットと人間の物理的な接触において生じる主観的な感覚の違いです。例えば、人は他人とぶつかった時、お互いに「痛い」という共通の感覚を持ちます。それによって危険を瞬時に察知し、すぐに立ち止まることで、それ以上のダメージを避けることができます。しかし、ロボットには痛いという感覚はないので、人間同士のような行動メカニズムで安全を確保することが難しいのです。

痛みの仕組みをモデル化して組み込む

 ロボットは、対象に加える力をすべて反力(はんりょく)としてとらえることでものを持ったり、つかんだりできます。しかし、「痛み」の感覚は根本的にこれとは異なり、力を加えていくと、ある時を境に急激に痛くなります。例えば、握手をして互いに力を加えていくことを想像すればわかるでしょう。あるいは、尖ったものが刺さった時の「痛み」は、ある狭い範囲に集中して力が加わった時に起こります。こうした痛みの仕組みをモデル化して、ロボットや機械にプログラムを組み込むことができれば、より安全・安心なシステムがつくれるはずです。

痛みの疑似命令で人間の感覚に近づく

 強い力や急激な力が加わった時に、痛みと認識させるセンサーの開発も課題です。触覚と痛覚という、入ってきた力に対して人間が感じている仕組みを論理化するなどの試みが行われています。それを使って痛みの疑似命令をロボットに出すことができれば、「すぐに停止」という行動に結びつけることができます。あるいは、衝突や転倒など過去のトラブルを痛みとして記憶させておくことで、同じ状況の時には、「注意深く行動する」ようになるなど、より人間の感覚に近いロボットや機械システムの実現が期待されています。

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この学問が向いているかも 情報工学、機械工学、通信情報工学

熊本大学
工学部 情報電気電子工学科 教授
松永 信智 先生

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メッセージ

 私は以前はメーカーで研究開発をしていましたが、ロボットなどの研究がやりたくて大学へ来ました。最近感じるのは、特に工学の分野では技術の進歩が著しく最先端技術もすぐに当たり前の技術になってしまうということです。例えばスマートフォンなどは、10年前には考えられないものでした。技術者は新しいことに常に対応することが求められてます。私があなたに望むことは、感性をいつも磨いて、新しいことを学び、新しい問題を解き続けてほしいということです。ぜひ工学の分野で、チャレンジしてください。

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 熊本大学は、「総合大学として、知の創造、継承、発展に努め、知的、道徳的、及び応用的能力を備えた人材を育成することにより、地域と国際社会に貢献する」という理念に基づき、地域のリーダーとしての役目を果たしています。かつ、世界に向け様々な情報を発信しながら、世界の学術研究拠点、グローバルなアカデミックハブとして、その存在感を高める努力をし、教育においては、累計30件にも及ぶ「特色ある教育プログラム」が優れた取り組みとして文部科学省から認定され、その教育力の高さと質の高い教育内容は定評のあるところです。

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