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岡山大学 環境理工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 超音波、
  • 溶接、
  • 橋、
  • 画像、
  • インフラ、
  • 波、
  • 検査

目に見えない世界を、見えるようにする超音波

突然崩れ落ちた橋から学ぶ教訓

 2007年、アメリカ・ミネソタ州で高速道路の橋が、いきなり崩れ落ち、橋の上を走っていた車が60台ぐらい川に転落しました。直接の原因は部材どうしを接合する板に、設計の半分程度の厚みしかないものが使われていたことだと判明しましたが、金属疲労や腐食が進んでいる橋でも適切な点検を行わなければ、最悪の場合このような大惨事を招きかねないという教訓を与えることになった事故です。日本でも首都高速道路や阪神高速道路などの高架橋では、亀裂による鋼材の劣化が問題となっています。

日本の橋は大丈夫なのか?

 もちろん日本の橋は、定期的にチェックされているので今のところ安全です。しかし、実際に目で見て検査することのできない、溶接部分の内部をどうやって調べているのでしょうか。橋を壊すことなく中を調べるためには「超音波」を使います。その原理は、医者が人体内部を調べる超音波エコーと同じです。センサーから発信した超音波が、橋の内部を伝わってはね返って戻ってきたときの波形の変化を見るのです。内部に亀裂などがなければ、発信した音波は元通りのきれいな波形で返ってきます。ところが亀裂などがある場合は、そこを通過するときに波が乱れるのです。これはごく微妙な変化ですが、ベテランの検査員ならその変化を認識することができます。

経験と勘の世界から科学的分析の世界へ

 超音波による検査は、今のところ検査員の経験と勘に頼りがちです。これを誰でも分析できるようにする研究が進められています。その方法は、超音波の波形を人間が見やすい画像として表示することです。これなら誰が見ても、おかしな部分に気づくことができます。橋や道路などのインフラ(産業・生活基盤を形成する構造物)整備が早かったアメリカでは、すでに老朽化が進んでおり、その補修や架け替えが始まっています。同じことが今後、日本でも起こるのは明らかで、そのためにも超音波を活用した内部検査法の確立を急ぐ必要があるのです。

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この学問が向いているかも 環境デザイン工学、土木工学、応用力学


環境理工学部 環境デザイン工学科 准教授
木本 和志

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メッセージ

 橋などの大きな建造物の内部はどうやって調べるのでしょう。人間の目では直接見ることのできない、ものの内部をチェックするために役に立つのが波動工学です。波動工学の研究を進めるためには、物理や数学のテクニックを使いこなす必要があります。高校では物理と数学は異なる教科として別々に学びますが、大学では両方を一緒に使って考えていくのです。将来、あなたが大学で波動工学の研究をしてみたいと思うなら、高校時代に物理と数学の基礎を、ぜひしっかりと身につけておいてください。

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