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岡山大学 環境理工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 音波、
  • 声、
  • 振動、
  • 音速、
  • 電磁波、
  • 空気、

時速2万キロ! 超高速で伝わる波の動き

音の波「音波」の速さはどれぐらい?

 目の前で話している人の声が、きちんと聞こえるのはなぜでしょうか。声は音波の一種です。声を出すことは、物理的には空気を振動させることで、振動した空気が耳に届くと、人はそれを音として認識するのです。音が空気中を伝わる速さ、すなわち音速は、常温ならだいたい秒速340メートルぐらいになります。だから向かい合って話している相手の声を、相手の口の動きから遅れることなく聞き取ることができるのです。

鉄の中を伝わる波の速さはどうなるか

 例えば、長さが1キロぐらいある鉄の板を想像してみてください。この板の右端を叩きます。仮に板が一切変形しなければ、右端を叩いた瞬間に、その力は反対側の左端にも伝わります。ところが実際には、わずかながらタイムラグがあります。なぜなら、たとえ硬い鉄でも力を加えられると、ほんの少しとはいえ変形するからです。その変形は波となって鉄の内部を伝わります。鉄の内部を伝わる波の速さは、実に秒速約6000メートル、時速に直せば2万1600キロメートルにもなります。鉄と空気では波の伝わる速さに何十倍もの差ができるのはなぜでしょうか。鉄の波が圧倒的に速い理由は、空気よりも鉄の方が硬いからです。

波の伝わり方がいろいろなことを教えてくれる

 鉄の内部を伝わった波は、端まで行くと今度は跳ね返って戻ってきます。その波の形を見れば、鉄の内部の様子を知ることができるのです。仮に内部に空洞などがあれば、波はその部分を通過するときに乱れます。鉄が溶接されていれば、溶接部分を通過するとき波は変形します。このように波を使えば、目に見えないものの内部を調べることができるのです。検査には音波だけではなく、電磁波なども使えます。ほかにも地震波や電磁波レーダーを使って、地球の内部構造が解明されています。対象や目的に応じて最適な波を使い分ける研究が、いま進められているところなのです。

1.0倍速 1.4倍速

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この学問が向いているかも 環境デザイン工学、土木工学、応用力学


環境理工学部 環境デザイン工学科 准教授
木本 和志

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メッセージ

 橋などの大きな建造物の内部はどうやって調べるのでしょう。人間の目では直接見ることのできない、ものの内部をチェックするために役に立つのが波動工学です。波動工学の研究を進めるためには、物理や数学のテクニックを使いこなす必要があります。高校では物理と数学は異なる教科として別々に学びますが、大学では両方を一緒に使って考えていくのです。将来、あなたが大学で波動工学の研究をしてみたいと思うなら、高校時代に物理と数学の基礎を、ぜひしっかりと身につけておいてください。

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