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講義No.04866

競歩の世界記録を塗り替えるかもしれない履物型ロボット

長距離を楽に歩くために

 年をとると、歩くのがおっくうになりがちです。だからといって歩かないと、老化が早く進みます。そこで楽に長距離を歩けるよう歩行を支援する「履物型」ロボットが考え出されました。その原理は、ローラースケートの応用です。ローラースケートは後ろ足を蹴り出して推進力を得て、前方に滑っていきます。これと同じように、歩くときも後ろ足で地面を蹴るタイミングでモータの力を加えて、より前に進むようにするのです。ただしローラースケートとまったく同じにしてしまうと、バランスを取るなどの技術を身につけなければなりません。そこで、高齢者でも簡単に使えるようにするため、ロボット工学の知見が応用されています。

人が歩く動作を解析する

 そもそも「歩く」とは、どのような動きでしょうか。足にかかる重心に注目して考えるなら、片足支持から両足支持、さらに片足支持の繰り返しです。足を振る動きとその速さに注目するなら、後ろ足で地面を踏み出した後に加速し、その足が地面に着地する前には減速しています。そこで加速するとき、つまり後ろにある足で地面を蹴り出すときに、モータの力でアシストするのです。これで前に出る力がぐっと増し、普通に歩いていても、いつもよりも多く前に進むことができます。

重心位置と足の動きの変化はセンサで測定

 モータを適切に動かすためには、「重心位置の変化」と「足の動きの変化」を掴むことが必要です。ここにロボット工学の知見が生かされています。この2つを正確に測るために圧力センサ、ジャイロセンサ、加速度センサと3つのセンサを使います。センサで計測した数値を元に、重心位置と足の動き具合を解析します。そしてベストのタイミングで、モータを動かし前へ進む力を補助するのです。バッテリーを小型化すると同時に、小型で強力なモータを開発し、普通の靴と見た目が変わらないような装置を開発できれば、高齢者が競歩の世界記録を塗り替えることも夢ではなくなるかもしれません。

脚型ロボットでさまざまな環境を移動しよう

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人間型ロボットが原発で働く未来

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この学問が向いているかも ロボット工学、機械工学、情報科学

大阪市立大学
工学部 電気情報工学科 教授
田窪 朋仁 先生

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メッセージ

 ロボットと言えば、マンガやアニメを思い浮かべる人も多いでしょう。確かに世界で最初のロボットは、SF小説に描かれた空想の産物でした。けれども今やロボットは、ものづくりの現場でなくてはならない存在です。高齢社会での活躍も期待され、世界中で研究が進められています。そのロボットを扱うために必要な知識は、物理と数学(代数、幾何、微分、積分)です。ロボットに興味があるならぜひ、これらの科目をしっかりと学び、将来のロボット工学を担う人になってください。おもしろいですよ、ロボットは!

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃からガンダムなどのアニメに登場する、人が乗れるような大型の人間型ロボットを作ってみたいと考えていました。車や電車などの乗り物が大好きであった延長で、私のロボット像は友だちロボットやペットロボットではなく、自分で動かすことのできる機械としてとらえていました。どのような機構で動かし、どんな操縦方法で意のままに操れるのか?実際に作ることはできるのか?それらの興味は高校生になっても続いていました。大学を選ぶときは、ロボットの研究をしている大学の紹介パンフレットを参考に受験先を決定しました。

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田窪 朋仁 先生がいらっしゃる
大阪市立大学に関心を持ったら

 大阪市立大学は、日本最大の公立大学です。また、大阪市内唯一の総合大学であり、都市とともにある大学として、社会の発展に寄与する多くの人材を送り出してきました。全8学部と多彩なフィールドを用意しながらも、少人数授業で教員と学生が同じ目線で学習できるアットホームな大学です。自由な学風、最新設備等、本学には若い皆さんのチャレンジを後押しする環境が備わっています。是非大阪市立大学で学び夢をつかんでください!

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