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京都ノートルダム女子大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 心理学、
  • コミュニケーション、
  • 実験、
  • 観察、
  • 無意識、
  • 行動、
  • 心(こころ)

「観察」から見えてくる心と行動の関わり

本人が自覚しない「無意識の行動」を観察

 心理学の研究にはいろいろな方法があり、そのひとつに「観察」があります。人間の行動には、意識している部分と意識していない部分があるのですが、実際には「無意識の行動」がかなりの部分を占めています。心理学における「観察」は、本人が無意識でしている行動部分も含めて研究の対象としています。その研究成果は、以前からアメリカなどではビジネスに活用されており、最近では国内でも「観察」を専門とする研究所が登場したり、企業が専門機関を設けたりするなど、注目が高まっています。

男性に試着をすすめて売り上げアップ!?

 「観察」がビジネスに活用されている例を挙げましょう。お店に訪れた客の行動を細かく観察していると、男女差や時間帯によって一定の行動パターンが見えてくることがあります。例えば衣料品店では、男性は女性に比べて、実際に試着するとその服を購入する確率が高くなります。つまり、男性の場合には試着を積極的にすすめると売り上げアップにつながると言えます。また、コンピュータ販売店では、午前よりも午後のほうが購買率が高いという観察結果があります。売り上げを伸ばすには夕方の接客に力を入れるのが有効だと言えます。

「行動」から心理を読み取る

 ほかにも「実験」などの研究方法を通して、会話しているときに聞き手の「うなずき」の回数が多いと、話し手の発言量が増えるということがわかっています。実際に学生が自分の父親と話すとき、意識的にうなずきの回数を増やすと、普段あまり話さない父親との会話が盛り上がった例がありました。「観察」や「実験」をはじめとする心理学の研究成果は、お店の経営やサービスの改善に生かせるほか、商品開発やコミュニケーションといった幅広い分野に活用することができます。そして、人はどうしてそのような行動をするのか、その行動は環境によってどう変化するのかなどをより深く考察していくのが心理学という学問の領域であり、心理学の面白さでもあるのです。

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この学問が向いているかも 心理学


現代人間学部 心理学科(2017年4月設置) 教授
廣瀬 直哉

メッセージ

 あなたは大学でどのような専攻を選ぼうと思っていますか。私は高校生に「迷ったら心理学を選べ」とよく言っています。なぜかというと、心理学という学問が、これから社会で生きていく上で役立つ分野だと考えているからです。心理学は心の悩みを持った人を助けたりするほか、異性に魅力をアピールしたり、お店を改善して売り上げアップにつなげたりする応用も可能です。心理学はいろいろな形で、社会に生かすことができる学問分野です。心理学に興味があれば、あなたも大学で一緒に学んでみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代にはパソコンに興味があり、コンピュータで人間の知を探究する「認知科学」の雑誌の特集に興味を持ちました。そして人間の「知」を研究したいと思い工学部の情報工学科に入学しました。ところが関心が人間の方にシフトしたので、教育学部の心理学科に転入し、大学院まで心理学の研究を続けました。当初の研究テーマは、「人間の思考」だったのですが、環境と動物との関係を重視する生態心理学と出会い、知覚や行為に注目するようになりました。現在は、環境における人間の行動、特に周りにあるモノに対する行為を研究しています。

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