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福岡大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 回遊、
  • まちづくり、
  • 都市計画、
  • 経済学、
  • データ、
  • マーケティング、
  • 行動、
  • 社会学、
  • ビッグデータ

まちの価値を高める、まちづくりマーケティングの視点

工学系主体の都市計画とまちづくりの問題点

 マーケティングといえば、一般的には、市場に対して企業が行う活動全般を指す経済用語ですので、経済学をイメージするでしょう。そして都市計画やまちづくりといえば、建築や土木などの工学分野を思い浮かべるはずです。しかし、建物や施設などを設計・デザインすることが主体である工学系の視点を中心にした都市計画は、必ずしもうまくいっていません。巨額の資金を投入して造られたにもかかわらず、活用されない施設が全国各地にあることでもわかります。

まちに住む人や来訪者の回遊行動を調査する

 では、いわゆる「ハコモノづくり」で終わってしまう都市計画には、何が欠けているのでしょうか? それは、都市は何のためにあるのかを考えた時に、都市計画とは、そこに住み活動する人々の行動を最適化し、まちを訪れる人々にとっての魅力を高めるものでなければならないという視点です。さらに、そのための基礎となる消費者行動のデータです。それをもとに、建物などハードの設計が決まっていきます。ですから住む人や来訪者の回遊行動の調査と研究が不可欠であり、それが「まちづくりマーケティング」という考え方なのです。

科学的思考法とビッグデータがまちづくりを変える

 しかし残念ながら、都市計画やまちづくりを担う行政や企業の意志決定システムが、そうした科学的な思考法や手法にもとづいているとはいえません。逆に言えば、それらを導入することで、より魅力的で投資効果の高いまちづくりが可能になるのです。また最近の流れとして、スマートフォンなどのIT技術の発達により、さまざまな「巨大情報」が入手できるようになりました。いわゆる「ビッグデータ」というもので、アメリカでは「コンピューテーショナル・ソーシャル・サイエンス(計算社会科学)」と呼ばれ、スマートシティの実現へと加速しています。経済学や社会学が、これからのまちづくりの新しい仕組みをつくっていこうとしているのです。

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この学問が向いているかも 経済学、社会科学、都市工学、行動科学


経済学部 産業経済学科 教授
齋藤 参郎

メッセージ

 私の研究テーマは、まちづくりマーケティングです。まちに来る人々の回遊行動をつぶさに調べて、行動ルールなどを明らかにし、まちづくりに生かす研究をしています。私自身は、もともとは工学部の建築分野の出身なのですが、今は経済学部で社会科学の研究をしています。高校生のあなたも、いろいろな分野に興味を持っていると思います。若い時に関心を持ったことは、それを続けることで自分の研究分野にすることができます。なりたいどんな自分にもなれますので、さまざまな分野に興味を持って、自分のやりたいことを探してください。

先生の学問へのきっかけ

 学問への憧れは小学生の頃からあり、高校生の時にはすでに研究者になろうと思っていました。今の専門に興味を持ったきっかけは、大学で建築学科に入り、都市計画という研究分野と出会ったことです。感覚や感性のウエイトが高いデザインや構造よりも、科学的な手法を使う都市計画にひかれ、卒業論文も「計画理論」という、まちをつくっていく社会的意思決定システムをテーマとしました。所属学部が、工学部から経済学部へ移ったのは、工学部でも社会工学という都市や経済学の学際的な学科で、社会科学的な研究を行っていたからです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学研究職/不動産会社コンサルタント/システム開発会社システムエンジニア/製薬会社医薬情報担当者/広告代理店営業企画/銀行員/飲食店経営/百貨店総合職

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