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福岡大学の教員によるミニ講義

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戦争に駆り出される「子ども兵士」をなくすために

15歳未満の子どもを兵士にしてはならない

 戦争や内戦といった武力紛争では、子どもが兵士として駆り出されることがあります。このような「子ども兵士」は、国際法で禁止されています。国際法というのは、具体的に言うと国同士が結ぶ「条約」です。子ども兵士に関しては「子どもの権利条約」に禁止規定があり、それによると、武力紛争では15歳未満の子どもを戦闘に参加させてはならないと定められています。ところが、同じ条約で子どもの定義を18歳未満としています。明らかに矛盾していますが、この条約が採択された1989年当時は「15歳」にしなければ、参加国の合意が得られなかったのです。

子どもを兵士にする大人たち

 2000年に新たに18歳未満の子どもを戦闘行為に参加させてはならないという条約が採択されましたが、子どもが志願すれば、15歳~17歳までの子どもを軍が管理する学校に入れることは許されています。そして、子ども兵士についての国際法に違反する国も存在します。その多くは、内戦が生じたアフリカの国々です。これらの国の大人たちは、勝つか負けるかの激しい戦いに熱中し、子どもへの保護意識が十分ではありません。子どもを誘拐して兵士になることを強制したりするケースもあります。さらに、孤児や貧しい子どもに対して、食べ物や寝場所を与えることを条件に志願させたりすることも起きています。

加害者が処罰されない現状

 このような悲惨な状況を改善するためには、加害者を処罰する必要があります。ところが、内戦を終結させるために国連や大国が介入した場合、加害者であるその国の幹部の責任を免除することを条件に、和平協定を結ぶことがあります。犯罪であるにもかかわらず処罰されないことも多いのです。そこで、21世紀になって国際刑事裁判所が設けられました。子ども兵士についても加害者を処罰することを明確に規定しています。こうした法整備によって兵士として駆り出される子どもをなくす取り組みが続いているのです。

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この学問が向いているかも 国際法学、国際政治学


法学部  教授
山下 恭弘

先生の著書
メッセージ

 世界の各地には、戦争の恐怖におびえ、実際に被害を体験している、あなたと同年代あるいは年下の子どもたちがたくさんいます。私の専門は国際法です。国際法とは「国際社会を規律する法」ですが、国際法の観点から、子どもたちを戦争の恐怖や被害から守っていこうというのが、今取り組んでいるテーマです。特に大人によって兵士にされた「子ども兵士」に関心があります。なぜ戦争はなくならないのか、なぜ大人が起こした戦争に子どもたちが巻き込まれるのか、このような問題を一緒に考えてみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 あなたは戦場で闘う「子ども兵士」を知っていますか? もちろん、国際的なルールでは禁止されていますが、現実には戦争や内戦といった武力紛争の現場では、「子ども兵士」は珍しくありません。国際社会のルールを決める国際法の立場から、戦争や「子ども兵士」について研究しています。私は小さい時から国際社会に対する関心がありました。大学院で国際法を専門にするようになり、その後アメリカに留学した時に「子ども兵士」の問題に深く関わるようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

公務員や会社員など、ごく一般的な職業に就いていますが、なかには世界的な人権保護にかかわる仕事がしたいと国際NGOに入り、海外で難民保護などに従事している者もいます。

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