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講義No.04474

脳波を定量化することで暮らしがどう変わるか

感性を測る

 あなたが友だちとメールでやり取りしているとき、「自分の気持ちが伝わってないな」と思うことはありませんか。もしも気持ちが測定でき、それをメールで送信できたら、他人ともっとわかり合えるかもしれません。実は、そんな研究がすでに進められています。
 頭に近赤外線を発する装置を付け、脳内の血液の酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンを測ります。血流は感情によって変わるので、血流を定量化すれば、その人がどういう感情でいるのかがわかるようになります。刻々と変化する脳内の血流の測定結果をリアルタイムで定量化するには、「カオス・フラクタル理論」が欠かせません。

広がる利用分野

 この技術は現在いろいろな商品開発に利用されています。例えば「打ち心地のよいテニスラケット」「爽快感を増したシャンプー」など、商品に「感性」という新しい価値を付加しています。
 また、「怒り」「喜び」などの感情をアクセルやハンドル代わりにする「電動車いす」が研究されています。これはあらかじめ被験者の脳内の血流パターンを感情ごとに測定しておき、それぞれに「前進」「右折」などと設定しておく仕組みです。
 また、トップアスリートが比類ないプレーをするときの脳内のパターンを測定することで、メンタルトレーナーの養成に役立てられています。

倫理的な課題

 この技術を利用すれば、感情をデータとして送ることも可能になります。言葉にできない感情を伝える、あるいは言葉による誤解を招かないなど、このコミュニケーション方法は利点が多いように思えます。しかし一方で、他人に人間の感情があらわになることの是非には議論の余地があります。人に感情を悟られたくないこともあるでしょうから、感情を送るかどうかは本人だけが決められるようにしなくてはなりません。
 どんな技術も使い方次第ですが、この技術には大きな可能性が秘められていることは間違いありません。

カオス・フラクタル理論でヒトのココロを読み取れる!?

夢ナビライブ2012 東京会場

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「感性」を測る技術

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この学問が向いているかも 数理工学、カオス・フラクタル感性情報工学

長岡技術科学大学
工学部 技術科学イノベーション専攻 教授
中川 匡弘 先生

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メッセージ

 今の若い人は、失敗を恐れて楽な方へと流されがちで、スマートに生きたがる傾向にあるようです。しかし、人間が生きるためには泥臭いこともしなくてはなりません。若い間は失敗をたくさんして構いません。しかしなぜ失敗したのか原因を究明してください。多くの失敗や無駄に思えることの中に宝物があると信じることが大事です。そのような経験を積んで、ものづくりができる人材に育ってくれればうれしいです。

先生の学問へのきっかけ

 近年、「大量生産」「大量消費」型の社会が創り出され、人々は技術革新の恩恵を受けてきましたが、直面している「エネルギーや環境問題の克服」と、「安全・安心・快適な持続型社会の実現」のためには、自然科学と人文社会科学が融合した技術を生み出すことが必要です。それこそ科学者が取り組むべき重要な課題なのです。「性能」「価格」「品質」に次ぐ、第4の「感性価値」という新しい価値を、脳波や生体信号から作り上げる研究をしています。具体的には、感性を付加価値とした製品開発をめざしているのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

電子機器メーカー、情報機器メーカー、ソフトウエア開発メーカー、電力会社、情報通信会社、医用機器メーカー、大学教員等 全て大学院修士・博士課程の修了生です。

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中川 匡弘 先生がいらっしゃる
長岡技術科学大学に関心を持ったら

 長岡技術科学大学は、大学院に重点を置き、実践的な技術の開発を主眼とした教育研究を行う工学系の大学として、新構想のもとに設置され、実践的・創造的な能力を備えた国際的に通用する指導的技術者・研究者の養成を行い、これらを通じて社会との連携を図ることを基本理念としています。
 大学はまた、勉学の場であると同時に人間形成の場でもあります。美しい豊かな自然に恵まれた環境と、国内はもとより世界の各地から集う学生たちが豊かな人間性を養い、創造性とチャレンジ精神を求め、友情を育む潤いのある大学生活の場があります。

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