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長岡技術科学大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • ロボット、
  • カオス、
  • 脳波、
  • フラクタル、
  • 近赤外線(光)、
  • 脳、
  • 血流、
  • 制御、
  • 信号

脳波で動く車いすを可能にしたカオス・フラクタル理論

念じただけで動く車いす

 頭で考えただけで前進したり曲がったり停止したりと、思いのままに動く車いすの研究が行われています。その仕組みは次のようなものです。まず、あらかじめ利用者の頭部に装置を取り付け、近赤外線領域の微弱な光で脳内の血流をモニターし、数値化します。血流のパターンは感情によって違います。そこで、利用者に怒りや喜びなどの感情を思い浮かべてもらい、それぞれのパターンを記録します。そして怒りのパターンを「停止」、喜びのパターンを「前進」などと設定しておき、利用者が怒りや喜びの感情を思い浮かべれば設定どおりに動くというものです。この感性を解析し数値化する技術は、日本の研究から生み出されました。

カオス・フラクタル理論で素早い反応

 生体信号をロボットの制御信号に使う研究はいくつか行われていますが、その多くは「統計理論」を使って推定しているため、処理に時間がかかり、頭に意思を思い浮かべてからロボットが動くまでに数秒かかります。意思を制御信号に変換するのはそれほど難しいことなのです。しかし、前述の車いすは即座に動きます。それは、この解析が「カオス・フラクタル理論」を用いて行われているからです。
 フラクタルとは、ある図形の一部分だけを拡大した図形が、元の図形と相似な形状である性質を指す幾何学の概念です。「カオス・フラクタル理論」とは、一見ランダムで予測不可能に見える自然現象も数学的には法則性を持っているという理論で、刻々と変化する脳内の血流を瞬時に解析するためには、この理論が欠かせません。

ペットの気持ちもわかる

 この車いすでは、頭部の装置に受発光のパーツが16個付いていますが、現在は実用化に向けてその数を2つに減らす研究が行われています。そうなると、ペットの感情をも測定することができるようになるのです。また、数値化した信号を携帯電話などでやり取りすれば、遠くにいる寝たきりの高齢者などが今どんな気分でいるのか、といったこともわかるようになることから、遠隔地医療への利用も期待されています。

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カオス・フラクタル理論でヒトのココロを読み取れる!?

夢ナビライブ2012 東京会場

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「感性」を測る技術

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この学問が向いているかも 数理工学、カオス・フラクタル感性情報工学


工学部 技術科学イノベーション専攻 教授
中川 匡弘

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メッセージ

 今の若い人は、失敗を恐れて楽な方へと流されがちで、スマートに生きたがる傾向にあるようです。しかし、人間が生きるためには泥臭いこともしなくてはなりません。若い間は失敗をたくさんして構いません。しかしなぜ失敗したのか原因を究明してください。多くの失敗や無駄に思えることの中に宝物があると信じることが大事です。そのような経験を積んで、ものづくりができる人材に育ってくれればうれしいです。

先生の学問へのきっかけ

 近年、「大量生産」「大量消費」型の社会が創り出され、人々は技術革新の恩恵を受けてきましたが、直面している「エネルギーや環境問題の克服」と、「安全・安心・快適な持続型社会の実現」のためには、自然科学と人文社会科学が融合した技術を生み出すことが必要です。それこそ科学者が取り組むべき重要な課題なのです。「性能」「価格」「品質」に次ぐ、第4の「感性価値」という新しい価値を、脳波や生体信号から作り上げる研究をしています。具体的には、感性を付加価値とした製品開発をめざしているのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

電子機器メーカー、情報機器メーカー、ソフトウエア開発メーカー、電力会社、情報通信会社、医用機器メーカー、大学教員等 全て大学院修士・博士課程の修了生です。

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