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講義No.04421

人が言葉を発する直前の脳の働きを解明する

言葉が口から発せられるまでの過程に注目

 私たちは毎日ごく当たり前に人と会話をし、自分の意見を述べたりしていますが、頭の中にある考えを言葉として発する際、脳ではどのようなプロセスが働いているのでしょうか。
 人は成長の段階でさまざまな単語を習得し、知識として蓄えていきます。つまり頭の中に辞書を作っていくわけですが、これを「心的辞書(メンタルレキシコン)」と呼んでいます。言葉を発するときにこの辞書は役立ちますが、たいていの人は、話す事柄すべてを頭の中で暗記してから話しているのではなく、話し始めると同時に、文章を頭の中で次々に組み立て話すのです。文章を書くときも同様で、書いているうちに「私はこういうことが書きたかったのか」とわかったりするものです。これは、声が出始める前、あるいは言葉としてアウトプットする直前に、脳が何らかの働きをしている結果だといえます。

脳が持つ「見えない」情報を顕在化させる

 こうしたメカニズムを解明する一つの手がかりとして、声を出す直前に脳が持っているはずの「見えない」情報を、どれだけ顕在化できるかという研究が行われています。この「直前の情報」には、発話する内容だけでなく、それらを音として発するための運動情報も含まれます。発話という動作を行う際、「これからこうした音が発せられます」という情報が、それらの動作を司る脳の部所に伝達されるのです。

脳の働きが発話に与える影響

 脳からこうした情報が伝えられるおかげで、人は自分の声を正しいタイミングで聞きながら発話することができます。考えるときに使っていて、表出しない言葉を「内言」と言いますが、内言を使っているときにも話をしているときと共通した脳の働きがあると考えられています。脳の働きを調べることで考えること(思考)と言語の関係性に迫る試みが始まっています。深く突きつめていくと、人が当然のように話していること自体、非常に不思議なことなのです。この「不思議」をいかに解明していくかが、言語科学の面白さの一つでもあります。

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この学問が向いているかも 言語科学、認知神経科学

首都大学東京
人文社会学部 人間社会学科 ※2018年4月設置 准教授
保前 文高 先生

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メッセージ

 言語科学とは、言葉がどうやって成り立っているのか、発達してきているのか、また、言葉を獲得する過程はどうなっているのかということなどを研究する分野です。いろいろなアプローチの仕方があるので、高校時代は興味のあることに何でも挑戦して、幅を広げて勉強したり、それを趣味にしたりしてほしいです。それと同時に、家族や先生、友だちとたくさん会話をしてください。誰かと話すことから、自分はどういうことに興味があるのか、どう生きていったら楽しく有意義に、人の役に立つのかということを一生懸命考えてほしいと思います。

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 首都大学東京は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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