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岡山大学 工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • プラスチック、
  • 鏡面加工、
  • 金型、
  • 大量生産、
  • 道具、
  • 加工、
  • 金属、
  • 材料、
  • 顕微鏡

金属をピカピカに磨く「磨き加工」の目的

一見滑らか、でも凸凹だらけの表面

 例えば、すべすべに見える木の机の表面を考えてみます。肉眼ではとても滑らかに見えます。けれども、顕微鏡で拡大して見ると、数ミクロン(1000分の1ミリ)以上の凸凹があります。だから鏡のように光を反射することはないのです。
 「鏡面加工」と呼ばれる金属の加工法があります。鏡のように表面をピカピカに磨き上げる加工法です。ただし、本物の鏡のように光を反射するためには、表面の凸凹が最低でも可視光の波長(約0.7ミクロン)以下に抑えられていなければなりません。

そもそも表面を磨くとはどういうことか

 磨き作業は、ずいぶん以前から行われていました。昔ながらのやり方では研磨剤を使います。材料よりも硬い粉を使って、凸凹のとんがった部分をそぎ落とすのです。山と谷の差をなくして表面を滑らかにすること、これが磨き作業のエッセンスです。
 逆に、あえて凸凹を残すようにするのが、つや消し加工です。表面に凸凹があると、鏡のような真っ直ぐな反射ではなく、乱反射します。このつや消し加工を施してあるのが、例えば手術用の金属性の器具です。つや消しにする理由は、手術中にライトの光が反射して、医師の集中力が途切れたりすることを防ぐためです。車のダッシュボードなども光の反射を防ぐためつや消し(梨地)面になっています。

大量生産のためにぴかぴかに磨き上げる

 現代の工業生産の中で、非常に重要な道具の一つに金型(かながた)があります。金型はプラスチック製品の大量生産に欠かせません。金型に軟化したプラスチックを流し込み、その後冷却させ硬化させます。このサイクルは速いものなら数秒で完了しますから、金型が一つあれば大量のプラスチック製品を作り出せるのです。この金型作りでは金属を完璧に磨き上げる必要があります。
 その金型の表面に凸凹があれば、それはそのまま完成品のプラスチックの表面にも凸凹のある不良品となってしまうからです。磨き加工の技術は、金型に求められる精度の高まりとともに進化してきたのです。

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この学問が向いているかも 機械工学、生産工学


工学部 機械システム系学科 教授
岡田 晃

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メッセージ

 世界初となるものづくりの技術を何か発明したい、そんな途方もない夢を持っているあなたを大歓迎します。研究室の目標はいつも、世界で唯一の加工法を創り出すことです。これまでにも特殊な電子ビームやバクテリアを使った金属加工法を開発してきました。いずれも世界初の快挙です。物理化学はちょっと苦手でも心配いりません。高校の授業で原理原則を理解していれば、後は岡山大学機械システム系学科で探求力と実践力が身につきます。次の「世界初」を、ぜひ一緒に開発しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃からテレビの戦隊ものが大好きで、戦車や戦闘機が変形してロボットになる、そんなおもちゃの設計やモノづくりに携わりたくて機械工学科に入学しました。大学3年生の時の「特殊加工学」の授業で、レーザーや放電プラズマ、電気化学反応で金属を精密に削る加工法を学びました。そして、従来の方法では加工が難しい高性能材料や細かくて精密な形状を加工するために、従来加工技術の高性能化や新しい加工法の開発が必要だということを知りました。いまは「世界初のものづくり技術を研究し発明したい!」という夢を持って研究に取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

あらゆる機械関連企業(一般機械、自動車等輸送機械、航空宇宙関連機械、化学工業、電気電子機器、医療生命関連機器等)における研究開発・設計・製造

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