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講義No.04052

ロボットによる国際救助隊サンダーバードを作るために

レスキューロボットの考え方

 東日本大震災の直後にもロボットが活躍し、天井が一部崩落した建物の調査や日米共同チームによる海岸や港の水中調査・探索が行われました。災害時に活躍するレスキューロボットの研究は、1995年の阪神淡路大震災をきっかけに始まりました。例えば地震で倒壊した建物の中で、生存者を見つけて助け出すためのロボットの研究から生まれてきたのが、ヘビ型のロボットです。細長い胴体をヘビのようなメカニズムで動かすことができれば、小さなすき間にも入っていくことができます。あるいはモジュール型(複数の単位パーツが集まってできた合体変形ロボ)で状況に応じて何台かのロボットが協同作業すれば、障害物を乗り越えて進むこともできるでしょう。アリのようにニオイを情報として、群れ全体として最適活動ができるようなロボット群も有用です。

ロボットを簡単に操作するためには

 災害現場おけるロボットの操作は、ロボットから送られてくるカメラ映像を見ながら遠隔で行われます。凸凹の荒地を移動する際に、カメラ映像は大きく揺れ、これを見て操作している人は酔ってしまいます。この画像の揺れを止める必要があります。また、レーシングカーゲームのように、操作するロボットの斜め後ろから見た俯瞰視点の映像をバーチャルに作ることにより、操作感をよくする研究もなされています。このように、人がロボットを直感的に簡単に操作できるように工夫するヒューマンインタフェースの研究も重要です。

ロボットで国際救助隊を作る

 阪神淡路大震災以降、日本では2004年に中越地震が起こりました。地震だけではなく、2001年にアメリカで起こった9.11のようなテロもあります。そして東海村JCO臨界事故のように人為的なミスによって起こる災害もあります。
 大規模な災害時には、ロボットの方が活躍できる可能性が非常に高いのです。ロボット開発においては、こうした災害時には直ちに災害場所に駆けつけ、一人でも多くの人命を助けることが、極めて重要な目的となっています。

生物型ロボットからレスキューロボットまで

夢ナビライブ2017 名古屋会場

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人間や動物の技量の理解と実現

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モジュラー脚型ロボット

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レスキューロボットに求められる能力

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この学問が向いているかも ロボット工学、制御工学、レスキュー工学

京都大学
工学部 物理工学科 機械システム学コース 教授
松野 文俊 先生

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メッセージ

 とにかく夢を持つこと、次にどうすればその夢を実現できるのかを考えること、そして筋道を立てて実行すること、これが大切です。実際にやってみると、そう簡単にはうまくいかないことがわかるはずです。一つやってみてダメでも、それは進歩と考えましょう。次は別のやり方を考えてトライすればいいだけで、その繰り返しの中で夢は実現するものです。そのためにも身近なものでよいので、まず夢を持ってください。私の夢は、生物や人間の匠さや素晴らしさを理解して、ロボットによる国際救助隊を作ることです。あなたの夢は何ですか?

先生の学問へのきっかけ

 『鉄腕アトム』や『鉄人28号』のアニメが好きで、それに影響されてか、人類初の月への有人宇宙飛行に成功したアポロ計画や宇宙にも興味を持っていました。いずれもベースにあるのは「制御する」という考え方です。ロボット工学では、ロボットを制御するために、人間や生物の素晴らしい動きや能力を取り入れています。また、阪神淡路大震災を経験したことから、災害救助にそうした技術を生かすレスキュー工学の研究を始めました。現在、レスキューロボットを核とした国際救助隊サンダーバードの実現に向けて取り組んでいます。

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松野 文俊 先生がいらっしゃる
京都大学に関心を持ったら

 京都大学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、自由と調和を基礎にして基本理念を定めています。研究面では、研究の自由と自主を基礎に、高い倫理性を備えた研究活動により、世界的に卓越した知の創造を行います。教育面では、多様かつ調和のとれた教育体系のもと、対話を根幹として自学自習を促し、教養が豊かで人間性が高く責任を重んじ、地球社会の調和ある共存に寄与する、優れた研究者と高度の専門能力をもつ人材を育成します。

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