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講義No.02860

モーターの特徴を生かした真の電気自動車とは

電気の特徴を生かした電気自動車に

 電気自動車が本格的に使われるようになってきました。しかし、今の電気自動車はまだガソリンエンジンの自動車の概念を引きずっているようです。単純に、エネルギーをガソリンから電気に置き換えているだけなのです。では、自動車に使った場合の電気の特徴とは何でしょうか。それはつまり電気モーターの特徴で、具体的には次の3点です。

電気モーターの3つの特徴

 まず、トルクレスポンスの速さです。つまり「力を出せ」と指示をしたらすぐに応答し、力が出るところです。その速さは1ミリ秒ほどで、ガソリンエンジンの数十分の一です。次に、モーターを4つのタイヤそれぞれに配置することができます。ガソリンエンジンの車で同じことをしたら、価格が跳ね上がってしまいます。そして3つ目の特徴は、モーターが出している力を正確に把握できるという点です。

キーワードは「制御」

 この特徴を生かすと、電気自動車はどのようなものになるでしょうか。一つずつタイヤを制御できるのですから、タイヤがほとんど滑らなくなります。タイヤが滑るかどうかは、タイヤの材質や空気圧、そして路面の状態で決まると思っている人がほとんどですが、実はそうではないのです。現在、電車の車輪はこのようにコントロールし、滑らないようにしています。これを粘着制御と言います。
 そして、トルクを正確に把握できることで、路面の状態を推定することができます。例えば路面が凍っていた場合、自動車がそのことを把握します。その情報を道路を管理している道路情報センターに送れば、「今ここの道路は凍結している」という注意を別の自動車に発信できます。つまり、自動車がそれぞれセンサーになり、得た情報を他車と共有できるのです。
 電気自動車は、エネルギーの問題と同時に、このように制御に関してもまだ進化させることができます。タイヤを精密に制御できれば、タイヤの幅を今の半分ぐらいにでき、燃費も向上するのです。
 電気とモーターの特徴を生かした、真の電気自動車の登場はまだこれからなのです。

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この学問が向いているかも 電気工学

東京大学
工学部 電気電子工学科 教授
堀 洋一 先生

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メッセージ

 工学や技術の研究を志すあなたは、「この勉強が何の役に立つのか」「この技術が将来何に使えるのか」などと悩むことがあるかもしれません。しかし、昔の科学者も、その研究が何のためになるのかなどは考えず、たとえ周りの人に馬鹿にされ、理解されなかったとしても、純然たる科学的興味に従って追究してきたのです。しかし、技術というものは、いつかは何かに使えるので、決して無駄にはなりません。ですから興味を持ったテーマは実用性にとらわれず何でも深く追究してください。そして、当たり前ですが一生懸命勉強してください。

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