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講義No.02859

人体の動きをやさしく支える電気制御

人の動きを電気制御で助ける

 機械は人を助けるものですが、特に人体の動きを助けてくれる電気制御技術をパワーアシストと言います。例えば、車いすにこの技術を採用すると、乗っている人が動かそうとするのを車いすが感知したとき、左手の力が弱かったら、右手を動かすだけで車いすが動くように車いす自体が調節します。あるいは坂道を楽に登ったり、途中で止まったりすることができます。つまり完全な電動車いすではなく、部分的に制御技術を使うことで、乗っている人は残存機能を生かしてリハビリを兼ねたような使い方ができるのです。

さまざまな分野への実用

 この技術は車いすだけでなく、義手や義足、介護ロボットなどの福祉分野、また安全な自動ドア、そして医療分野への応用が考えられています。医療分野では、繊細に人の動きや力を伝えたり、逆に機械を使っている人に力を伝えたりするという特徴を活かします。例えば手術の際、血管などを挟む道具に鉗子(かんし)というものがありますが、それにこの技術を導入すると、医者が離れたところからコントローラーのようなものを使いながらの手術が可能になります。鉗子を動かすだけでなく、硬いものを挟んでいるのか、柔らかいものを挟んでいるのかの感触まで伝わるのです。単なるリモコンとしてではなく、どこに力が入っているかということを機械が理解し、使っている人に力の反応を返すということが重要です。それによって、より直接触れているのに近い感覚で使うことができます。このような電子制御をヒューマンフレンドリーモーションコントロールと言います。

人間の生活に寄り添う先端技術

 この技術は単体で動くロボットとは違い、人間が触ったり動いたりするのに応じ、さまざまに反応して初めて役立つ技術です。一見地味ですが、実に精密な電子制御技術が詰まっています。このように電気と機械が融合した技術をメカトロニクスと言いますが、日本ではこの研究が盛んに行われています。この技術が普及すれば、人間の生活は今よりも安全で暮らしやすいものになるでしょう。

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この学問が向いているかも 電気工学

東京大学
工学部 電気電子工学科 教授
堀 洋一 先生

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メッセージ

 工学や技術の研究を志すあなたは、「この勉強が何の役に立つのか」「この技術が将来何に使えるのか」などと悩むことがあるかもしれません。しかし、昔の科学者も、その研究が何のためになるのかなどは考えず、たとえ周りの人に馬鹿にされ、理解されなかったとしても、純然たる科学的興味に従って追究してきたのです。しかし、技術というものは、いつかは何かに使えるので、決して無駄にはなりません。ですから興味を持ったテーマは実用性にとらわれず何でも深く追究してください。そして、当たり前ですが一生懸命勉強してください。

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