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講義No.02858

町で充電しながら走る将来の電気自動車

ガソリン自動車の代替物ではない

 2010年は完全に電気で動く自動車が本格的に販売されました。しかし、現状の電気自動車は「停まって」「短い時間に」「大きなエネルギーを」充填する方式であり、ガソリン車のイメージを払拭しきれていません。また電池の寿命も問題で、毎日充放電を繰り返していると3年ぐらいで寿命がきてしまいます。これではユーザーにとって電池交換が大きな負担になってしまいます。
 そう考えると、ガソリン車と同じくらい多くのエネルギーストレージ(貯蔵容量)を持つ自動車は時代遅れになり、電気自動車は電池よりもキャパシタ(物理的に電気をためておくもの)を使うようになるでしょう。キャパシタは、化学的性質を利用する電池と違いほとんど劣化しませんが、容量が少ないのです。すると「走行可能距離が短くなる」という指摘が必ず出ます。しかしその問題は、町の中で少しずつ充電できれば解決できます。

信号で停まっている間に充電

 将来の電気自動車は、キャパシタを使いながら、外部から頻繁に充電を繰り返すという方式になるでしょう。例えばカーナビが人工衛星から情報を得るように、エネルギーも外部から受け取るイメージです。そこで注目なのが、「ワイヤレス給電」の技術です。これはまるで電波のように電気エネルギーを飛ばして、自動車側で受けとめる技術で、この方法なら充電は短時間でできますし、ドライバーは充電していることを意識する必要もありません。この装置が交差点やサービスエリアなどの駐車場、さらに将来的には道路の下に埋められ、少しずつエネルギーをもらいながら走行するのです。このシステムができれば走行可能距離という概念は無意味なものになります。

日本がなすべきこと

 これを実現させるには、社会のインフラを大がかりに変える必要があります。しかし、50年後、100年後、どのような社会になっているかをイメージすれば、今すべきことと方向性が見えてきます。
 電気自動車の技術や実用レベルで世界のトップを走っている日本は、常に先を見続けているのです。

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この学問が向いているかも 電気工学

東京大学
工学部 電気電子工学科 教授
堀 洋一 先生

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メッセージ

 工学や技術の研究を志すあなたは、「この勉強が何の役に立つのか」「この技術が将来何に使えるのか」などと悩むことがあるかもしれません。しかし、昔の科学者も、その研究が何のためになるのかなどは考えず、たとえ周りの人に馬鹿にされ、理解されなかったとしても、純然たる科学的興味に従って追究してきたのです。しかし、技術というものは、いつかは何かに使えるので、決して無駄にはなりません。ですから興味を持ったテーマは実用性にとらわれず何でも深く追究してください。そして、当たり前ですが一生懸命勉強してください。

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