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講義No.02590

宇宙飛行士は、どのような健康管理をしているの?

宇宙飛行士の健康を守る

 2009年、約4カ月半の長期宇宙滞在から帰還した若田光一さん。若田さんは元気に自分の足で歩いて地球へ降り立ちましたが、実は足腰の筋肉が弱り、ほかの人の肩を借りて帰還する宇宙飛行士も多いのです。それはなぜでしょうか? 宇宙飛行士の健康管理を通じて、未知なる空間がヒトの体におよぼす影響が、段々と解明されてきました。
 宇宙空間は、物質の重さがなくなる無重量環境です。ヒトは、体を支える力が必要なくなるので、筋肉は痩せて細くなり、骨はカルシウムが抜け出る脱カルシウムの現象が起こります。宇宙飛行士は、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や結石になりやすいのです。そのため、骨粗鬆症などの薬を服用します。また、筋力の低下を防ぐために、例えばNASAのレギュレーション(規則)では、1日1時間以上の運動をするように定められています。

血液量もコントロール

 宇宙空間は、血液にも影響をおよぼします。血液には重さがあるので、地上では重力が働いて、足の方へたまりやすくなります。静脈は動脈に比べてやわらかい組織でできているのですが、広がらないように周りの筋肉が血管を支えています。足にたまった血液は、筋肉が収縮すると静脈が押されて、中の血液が心臓へ流れます。筋肉が血液に駆動力を与えているのです。静脈には、血液の流れを一方向に保つための弁がついており筋肉が収縮すると、心臓へ向かって流れる仕組みになっています。
 しかし宇宙では重力がなく、血液は足の方へ行かないので、足から心臓へ流す仕組みは必要ありません。心臓の駆動力で、脳へ血液を運ぶ仕組みだけが残ります。すると、脳の血液量が多くなってしまい、顔がむくむのです。頭部の血圧も高くなるので尿として水分を体外へ出し、血液の量をコントロールします。
 また、地球へ戻ると、血液は重力に引っ張られて足の方へ行きます。今度は脳へ流れる量が少なくなるので、脳貧血の状態になってしまいます。そのため、帰還前には水を約1リットル飲んで、血液量を増やすようにしています。

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この学問が向いているかも 保健医療学系/健康科学系

豊橋創造大学
保健医療学部 理学療法学科 教授
後藤 勝正 先生

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メッセージ

 やりたいことを見つけるのは難しいかもしれませんが、一つ見つければ、つきつめていく中でいろいろなことがわかってきます。そして、その先は永遠に繋がっていくもの。だから、焦らずゆっくり進んでいってほしいと思います。世の中には、まだわからないことがたくさんあります。一つ一つ立ち止まって考えると、きっと不思議に思うことがあるはずです。なぜ?と疑問を持って、日常生活を送ってみてください。入り口は豊橋という小さな街かもしれませんが、可能性は無限に広がっています。がんばった先には、必ず光がありますよ。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院理学療法士、大学院修士課程・博士課程進学

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 豊橋創造大学は、実践的な教育により次世代を担う創造性豊かな人材を育てていくことを教育理念としています。常に社会のニーズをとらえ、新しい“学び”を提案していきます。2012年4月には「経営学部 経営学科」を開設。経営学の総合的な知識と問題解決能力、そして高い志を備えたビジネスパーソンの育成を目的としています。高度な専門知識と実践力を備えた理学療法士・看護師を育成する「保健医療学部」とともに、社会に貢献する人材育成をめざします。

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