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講義No.02577

ウシの臨床研究、最新事情

生産動物の医療とは

 生産動物とは、ウシをはじめブタ、ニワトリなど、人々の健康に必要な栄養を提供する家畜を指します。獣医学の中でも生産動物の医療は、家畜の健康を維持し、治療していくことです。つまり、それらを口にする一般市民の健康につながるという意義があるのです。家畜とはペットのように1頭だけを飼うことはなく、集団で、かつコストを考えながら、健康に飼っていくことが求められます。そして効率よく子どもを増やし、牛乳や肉を確保していく産業として成立させなくてはいけません。
 特に最近は、家畜の感染症による被害に注目が集まっています。ウシについては、O-157やBSE(牛海綿状脳症)といった現象が社会問題にまで発展したので、あなたも聞いたことはあるでしょう。このような理由もあり、畜産家や獣医師は、動物の病気を治すことだけでなく、人々の口に入るまでの安全を考えなくてはなりません。また、ウシのストレスによる健康被害も、現代の生産動物医療における大きな問題となっています。

エコで地球と動物に優しい最新医療

 従来、病気の治療として主流だったのは、抗生物質を使用して症状を抑える方法でした。ですが、人の口に入るものに抗生物質を大量に使うことは、安全性の面から避けるべきという風潮になっています。また、特定の抗生物質を使うことで動物の中に耐性ができ、それがかえって感染症の拡大につながるケースも問題視されました。さらに抗生物質の使用がウシにストレスを与え、体力を弱らせるというデメリットも浮かび上がってきました。
 そこで、現在注目されているのが、炭や薬草、化石サンゴ、黒酢などの天然物質を飼料に混ぜた健康食での飼育です。人間で言えば、病気になって薬を飲むのではなく、日常的にサプリメントを摂ることで病気になりにくい体を作っていくように、医療の方向性が変わってきているのです。化石サンゴの例などは、実際に欧米の研究で成果を上げ、注目されています。最先端の医療が、地球と動物に優しい方向に進んでいるのは、大変興味深い傾向です。

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この学問が向いているかも 獣医学群

酪農学園大学
獣医学群 獣医学類 教授
小岩 政照 先生

メッセージ

 獣医師を目指すきっかけが「動物が好き」という人は多いです。ですが獣医学とは学問であって、研究の過程において解剖が必要とされるなどの厳しさがあります。また、臨床の現場では最善を尽くしても助けられないこともあります。単純な動物愛護ではなく、少し大きな視点で命に関わる仕事であることを認識してください。私は獣医師の仕事について、よく「奉仕の精神」という言葉を使います。飼い主や動物に奉仕する気持ちをもって接し、自分の医療によって健康を回復した動物の飼い主の歓びを獣医師の歓びとすることが大切だと思うのです。

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小岩 政照 先生がいらっしゃる
酪農学園大学に関心を持ったら

 北海道の政治・経済の中心都市札幌から快速電車で10分、本学はそこに132haの広大なキャンパスを構えています。世界の人口が増幅を続ける中、40%前後の我が国の食料自給率は、今後ますます問題となるのは確実です。そうした環境下にあって、大地を健やかに育て、健康な食物を育み、それを食して健やかな人が育つ。こうした「循環と共生」をテーマに掲げながら、学生一人ひとりの個性や能力を最大限に引き出せるような教育を実践することを使命と考えています。

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