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講義No.02570

波の脅威を弱める波消しブロックをささえるシステムも進化中!

補修の時期を知らせるシステム

 波から背後の陸地を守るため、護岸といったコンクリートや石積で造られた構造物の前に、テトラポッドで代表される波消しブロックを置くことがあります。長年に渡り台風時の大きな波が当たるうちに、次第に崩れるケースもあるのですが、1つ崩れたくらいでは、波を消す性能に問題はありません。崩れたら新しいものを入れるのではなく、性能が落ちたら補修すればよいのです。この考え方を「維持管理型設計」と呼びます。メンテナンスによって性能を維持できれば、コストと無駄を省けるのがメリットです。とはいえ、いつ、どれくらい修理すべきかの判断が難しい。放置して取り返しのつかない災害が起こっても大変です。
 そこで考えられた1つの方法が、ニューラルネットワークという数学モデルを使った修復診断システム。崩れたブロックの数と波の情報を入力してダメージを計算し、性能の変化を予測します。これで補修するタイミングがわかりやすくなります。このシステムは将来、市町村の現場で、補修の意志決定支援ツールとして役立つことでしょう。

最適な補修プランをつくる

 従来の構造物の設計は、例えば「壁の厚さはコンクリートで40cm」と、つくる時の条件を定める「仕様設計」の考え方でした。最近は、「ひび割れは10cm以内にすること」と、性能の維持を第一に求める「性能設計」の考え方に変わってきています。性能が保てるなら厚さや材料が異なってもよいのです。この考え方で、より高い性能を目指して新しい材料などが開発されるようになりました。
 そして、「性能設計」の考え方では、コストを抑えることができます。製品の性能が保証できる期間に、補修費も含めてどれくらいかかるのか、材料を調達して製品をつくり、使用して、やがて廃棄されるまでをトータルでとらえる『ライフサイクルコスト』の観点で維持管理することが、重要視されるようになってきました。無駄を省いていかにコストを抑えるか、最適な補修プランをつくるために、さまざまな研究者の共同作業が進められています。

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この学問が向いているかも 土木工学/社会科学系

鳥取大学
工学部 社会システム土木系学科 教授
松見 吉晴 先生

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メッセージ

 理系に進むから将来は技術者になる、と直接的に考えるのではなく、理系でも文系の場で活躍する人がいてもよいと思います。理系の知識・分析能力を持って、社会を構成する複雑なものを解きほぐせる人になりましょう。そうすれば、都市開発、地場産業の育成、福祉など、どんな場所であっても活躍できます。いろいろな人の役に立ちたいという公共サービス精神の旺盛な人を待っています! 苦手な科目があっても大丈夫です。得意な科目を通じて得た自信で、きっと苦手な科目を克服できると私は信じています。安心して来てください。

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 鳥取大学は、教育研究の理念に「知と実践の融合」を掲げ、高等教育の中核としての大学の役割である、人格形成、能力開発、知識の伝授、知的生産活動、文明・文化の継承と発展等に関する学問を教育・研究し、知識のみに偏重することなく、実践できる能力をつけるように努力しています。また、研究・教育拠点、幅広い専門的職業人の養成、地域の生涯学習機会の拠点、社会貢献機能など個性輝く大学を目ざし、地方大学にこそ求められるオンリーワンの研究開発を行い、社会に貢献し、国際的競争力を確保できる大学運営を目ざしています。

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