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鳥取大学 医学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 臓器移植、
  • 手術、
  • ウイルス、
  • 脳死、
  • 移植、
  • 肝臓、
  • 肝炎、
  • 生体肝移植

肝硬変の患者を救う肝移植とは

命の危険にさらされる、恐ろしい肝炎

 肝炎は、非常に恐ろしい病気です。昔、1本の注射針を使い回したせいで、大勢の人が肝炎に感染してしまった事件がありました。ウイルスは最初、静かにじっとしていますが、B型肝炎のウイルスが肝臓につくと、肝臓のDNA内にウイルス自身を組み込んでしまいますので、なかなか取り除くことが難しくなります。そして、どんどん増殖してしまいます。C型肝炎は、組み込みはしないですが、ウイルスそのものが増えていきます。どちらの場合も、最終的には肝硬変になります。肝臓が硬くなり、黄疸や腹水などが出現します。さらに、肝臓で分解できなくなったアンモニアが脳に影響を及ぼし、脳症を起こすことがあります。ここまでの症状が出ると肝不全という状態となり、命の危険が迫っています。このような患者を助ける残された道が、肝移植になります。

移植手術が唯一、患者を救える方法

 肝臓移植をするのには2つの方法があります。1つは脳死肝移植です。脳死移植は、日本では年間数例しか行われていません。脳死後、まだ温かい体から肝臓、腎臓、すい臓、肺臓などを取り出し、そして最後に心臓を取り出します。日本人独特の死生観もあり、脳死に抵抗がある日本ではまだ、広がりを見せていません。
 もう1つの方法は、生体肝移植です。日本では5000例以上の手術が行われています。脳死移植とは違い、生きている人(近親者や配偶者)から正常な肝臓の一部を切除して移植します。血液を作り出すために、白血球などのすべての型を一致させる必要のある骨髄移植とは違い、比較的移植についての条件がゆるやかで、血液型が一致しなくても提供できることもあるぐらいです。
 肝臓移植をすると基本的には一生免疫抑制剤を服用する必要がありますが、手術5年後でも70~80%以上の生存率が望めます。将来的には、患者の臓器そのものを再生させる医療が有望です。ところが現在では、その技術はまだ確立されていません。それまでの間、移植手術で命を救うしかないのが現状です。

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医学部 保健学科 検査技術科学専攻 教授
廣岡 保明

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メッセージ

 夢はかなわないことも多いのですが、夢に向かって頑張ることは大切なことです。たとえ報われなくてもきっと、誰かが見ています。進路を考えるときも、偏差値で決めてしまいそうですが、自分が少しでも興味のある分野に突き進んでほしいと思います。努力をする人の姿が僕は好きです。医療分野を志す人に伝えたいのは、医療は人と関わる仕事であるということです。人の辛さや痛みがわかる人がいいですね。人の役に立ちたいと思う気持ちは、患者さんと接するうえで特に重要だと思います。

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