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関心ワード
足利尊氏、流行語、中世、浪人、明治維新、若者、太平記、禅宗、ファッション、自由、戦国時代、ニート、ネットワーク、幕末
史学・地理学系 文化・教養学系 
講義No.02158
「最近の若者はけしからん」と歴史的に繰り返されてきた
 

時代を動かすのは「動き回る人」  平安時代の「浪人」って知っていますか? いまどきの「ニート」と違うのは、かれらはたえず移動し、経済活動をするアクティヴな人で、そのためなんと「富豪浪人」とさえ呼ばれました。幕末の志士たちもさかんに「遊学」しましたが、このように既存の秩序を越え出て、自由に動き回る人が、新しい時代をつくっていくのです。
 日本史上の3大変革期といえば、南北朝、戦国、そして幕末維新期です。じつはこの3つに共通の流行語がありました。いまは死語となっている「江湖(ごうこ)」です。「江湖」とは、中国は唐の時代、禅宗を志す修行僧たちが、江西と湖南に住む2人の高僧の間を行き来して学んだ故事から生まれた言葉です。志を持った人々が往来することによって、人間のネットワークが新しい社会関係へと組み変わっていく、そんな熱い時代だからこそ、日本でも「江湖」という言葉が流行したんですね。

新しい文化に対する、古い人々の眼差し  14世紀に活躍した「悪党」と呼ばれる人々は、崩したファッションを好んでいました。いまでもクラッシュ・ジーンズなどは、年配の人に理解されず、「最近の若者は……」なんて言われたりします。この時代には「自由の至りなり」という言葉もあって、ここでの「自由」とは「けしからん」ぐらいの意味なんですね。でも逆に言えばそれは、この時代に、古い価値観にとらわれない「新しい文化」が誕生していた証拠でもあるのです。
 有名な『太平記』には、足利尊氏や二条良基など、当時のファッション・リーダー的な政治家・文化人が、身分の上下を越えて芸能を楽しんだ姿が描かれています。ところがその劇場で、観客席が倒壊するという大惨事が起こりました。「身分秩序の崩壊」を危惧する古い考えの人々にとっては、まさに「それ見たことか」という事件でした。そんなカタブツの代表・足利直義が、兄・尊氏と政治的に決裂するのも、じつはその時期なんです。
 


夢ナビ 夢ナビ編集部
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