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山形県立保健医療大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • パーキンソン病、
  • 医療、
  • 医学、
  • 難病、
  • リハビリテーション、
  • マッサージ、
  • 理学療法士(フィジカルセラピスト)、

難病の進行を、少しでも遅らせるために

決定打がない進行形の疾患にかかったら

 障がいのある人が復帰するために行う体操などの訓練やマッサージなどが「リハビリテーション(リハビリ)」です。事故や病気などの障がいのほか、難病の患者に対しても行われます。
 「難病」というのは行政用語で、効果的な決定打となる治療法がない、進行形の疾患を言います。リハビリによって病気を止めることはできませんが、進行を遅らせたり、障がいがあってもその進行の段階によって環境を整えることはできるのです。進行具合や年齢なども考慮して、さまざまな訓練指導が行われています。
 難病と呼ばれる病気の一つが「パーキンソン病」です。

気付かれなかった難病の「穴」

 リハビリの世界ではこれまで、パーキンソン病の症状として「拘束性換気障がい」がクローズアップされてきました。胸の中の可動域がうまく動かなくなり、肺の膨らむ領域が制限されてしまう症状です。そこで両肩を持ち上げたり胸郭をねじったりして、胸を柔らかくして可動域を広げたり、呼吸器筋を鍛える訓練指導が行われてきました。
 しかし実際にパーキンソン病の患者を見ると、拘束性換気障がいを起こしていない患者が多かったのです。驚いたことに、上気道の障がいのある人は65%近くに上りました。上気道の障がいには自律神経系がどうも関わっているみたいです。交感神経や副交感神経など、自律神経系のバランスが乱れると、脈が乱れたり上気道が閉塞しやすくなるのです。この上気道の障がいは今までは理学療法のなかで見落とされてきたようです。いわばパーキンソン病の呼吸訓練の「穴」でした。
 今後は、拘束性換気障がいに着眼点を置いた今までのリハビリだけではなく、上気道障がいも考慮した訓練治療が求められるでしょう。その中で理学療法士が実際にどんな方法で関わっていけるのかを探っていくのが、これからの課題になります。
 疾患には今まで注目されてこなかった「穴」のような部分があります。見方を変えることで見つかる穴に焦点を当てることで、訓練方法も変わってくるのです。

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保健医療学部 理学療法学科 教授
真壁 寿

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メッセージ

 理学療法士は、障がいを負った人が復帰するための手伝いをする仕事です。私は理学療法士として進行性の疾患だけでなく、脳卒中片麻痺の方を看てきました。超早期から慢性期までを通して関わる事で、発症時の症状や回復期の回復程度によって地域でどのような生活が送れるか、ある程度予測する事ができます。脳卒中片麻痺患者の機能回復訓練を的確に行う事ができる学生、新しい事にチャレンジできるような学生を育てていきたいと思います。専門性を究める事はもちろんですが、既成概念を壊して新しいものを生み出せるような人材が必要です。

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