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山形県立保健医療大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 電気刺激、
  • 人体、
  • 医学、
  • カオス理論、
  • 筋肉、
  • 運動神経

人体は「止まれない」って、どういうこと?

体の中を巡る電気刺激

 脳からの指令は電気刺激として全身の筋肉に伝わります。筋肉は、脳から流れる電気刺激によって収縮します。また、筋肉上でもその電気刺激が筋の中央から双方向に伝播していきます。筋肉上を流れる電気の伝播速度を筋線維伝導速度といいます。
 この電気が流れる速さが疲労により遅くなります。また、筋の種類によってもその速さが異なります。例えば、上腕二頭筋では秒速4mという速さです。また筋肉と一口に言っても、いろいろな組成があって速筋線維か遅筋線維かによっても異なり、疲労によって速度は下がっていきます。これらの性質を利用して筋組成や筋持久力の評価に使える可能性があります。

重心は揺れ続けている

 さて、生体には「カオス現象」というものがあります。まっすぐ動かずに立っているように見える人も、よく見るとロボットのようにぴたりと止まってはいません。重心がわずかに揺らぎ続けています。目をつぶることによって、この揺らぎや乱れ方は大きくなります。
 「やじろべえ」をイメージすると分かりやすいかもしれませんが、体は倒れそうになると、重心を移動させて転ぶのを防ぎます。そのため揺らぎの“自由度(予測のつかない乱れ方)”は、体のバランスが崩れて不安定になるに従って上がっていきます。しかし、パーキンソン病の患者はこの自由度が上がらなくなってしまっています。自由度が上がらないからバランスを取りづらいのです。
 年齢や疾患による重心の揺らぎの特徴を「カオス理論」という考え方でとらえていくと、いままで見逃していた現象がみてとれます。カオスとは、ランダムで予測できない自然界の現象の中に法則性を見いだすもので、この理論を理学療法の「評価」に応用できないか探ったのです。
 「評価」は理学療法の中で、患者の情報を収集し問題点を見つけて解決するために欠かせません。年齢や疾患による重心の移動の特徴を研究することで、麻痺が回復する様子やパーキンソン病の患者の状態を別な観点から評価でき、新たな訓練方法がみつかるかもしれません。

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保健医療学部 理学療法学科 教授
真壁 寿

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メッセージ

 理学療法士は、障がいを負った人が復帰するための手伝いをする仕事です。私は理学療法士として進行性の疾患だけでなく、脳卒中片麻痺の方を看てきました。超早期から慢性期までを通して関わる事で、発症時の症状や回復期の回復程度によって地域でどのような生活が送れるか、ある程度予測する事ができます。脳卒中片麻痺患者の機能回復訓練を的確に行う事ができる学生、新しい事にチャレンジできるような学生を育てていきたいと思います。専門性を究める事はもちろんですが、既成概念を壊して新しいものを生み出せるような人材が必要です。

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