夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.01129

人間が長距離を歩けるわけ

歩行中、上下の揺れが少ない

 人間の重心は、両足で立っている時には骨盤の上方部分にあり、歩行中は上下左右方向に動いています。体重は右足を上げると身体の左側にかかり、左足を上げると右側にかかる仕組みです。
 歩行中の重心の高さは、わずか上下3~5cmほどの幅で移動しています。片足で立っている時に一番高くなり、両足が地面についている時に最も低くなります。一番高くなる時でも膝が少し曲がっているので身長には及びません。つまり、身長と同じ高さのトンネルを通り抜ける際にも普段通りに歩いてさえいれば、頭を打つことはありません。
 このような動きが少なく滑らかな重心移動を行うために、骨盤や足の関節がさまざまな微妙で精巧な動きをみせます。そして、その動きを実現するために下肢の多くの筋肉が互いに協調しあって働いています。人間は成長していく中で、こういった精巧な動きを、少しずつ学習し、身に付けているのです。

無駄のない歩き方は疲れにくい

 人間は一定の速度で歩いている時でも実は速く動いたりゆっくり動いたりしています。振り子運動と同じで、重心の位置が高くなると動きが遅くなり、重心の位置が下がると速くなります。こうすることで、重心の上下移動を上手に前方への推進力に利用しているのです。この重力の利用で、人間は前進運動に必要な仕事量の60%程度を稼いでいます。そして、残りの40%程度を足の筋肉が担っています。実際、多くの筋肉は、必要な時にだけ働いて、それ以外は休んでいます。
 一方、サルの歩行はどうでしょうか?「モンキーウォーク」という言葉があるように、サルは膝を大きく曲げて歩くため、重心は上下に大きく移動するにもかかわらず、人間のように重力をうまく利用することができません。そのため、足の筋肉に大きな負担がかかり、すぐに疲れてしまいます。
 いかに人間の歩行は無駄がなく疲れにくい歩き方かということがわかります。
 だからこそ、人間は長距離を歩けるのです。

再生スピードを変更できます。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 保健医療学部

山形県立保健医療大学
保健医療学部 理学療法学科 教授
神先 秀人 先生

先生の他の講義を見る
メッセージ

 研究室では、歩行など人が日常行っている動作を種々の機器を使って分析し、障がいの原因把握や治療効果の判定に役立つ研究を行っています。
 理学療法士が求められる知識や技術はどんどん増え続けるので、国家資格を取得し社会に出てからも毎日が勉強です。しかし、障がいと向き合う患者さんや周りの方々から多くのことを学ぶことができます。
 理学療法士は「人が好き」であることが原点だと思っています。また、医療チームの一員として行動するため、協調性や責任感も必要ですが、身体と頭を調和良く使える仕事ではないかと思っています。

大学アイコン
神先 秀人 先生がいらっしゃる
山形県立保健医療大学に関心を持ったら

 山形県立保健医療大学では、臨床の現場で重要であるチーム医療という視点に立って、各学科が共通で学ぶことが出来るように配慮し、職種の異なった学生がお互いの職種の役割を理解し、保健・医療・福祉の現場で連携、協調していく基礎を培うこととしています。また、本学の教育目標の一つに国際的視野を持って活躍できる人材の育成を掲げており、山形県が姉妹県州となっているアメリカ・コロラド州・デンバーのコロラド大学、コロラド州立大学と学術交流協力促進に関する協定を結び、教員や学生の交流を毎年盛んに行っています。

TOPへもどる