夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.01064

走りまわれる世界の創造

蹴りながら歩行

 試しに少し歩いてみてください。歩いている時、どのタイミングで力を入れていますか。おそらく、着地の時のみ強く力を入れていると思います。歩行は、体重移動→着地をくり返す行為です。例えば右から左へ体重を移動し、右足を地面に着地させます。そして、その着地した右足を支点にして、同じ動作を左足でも行うのです。この一連の動作において、私たちが力を入れているのは着地の時だけなのです。
 しかしロボットの場合、どのタイミングでも力を入れています。このせいで、ロボットの歩行は常に何かを蹴りながら歩いているように見えるのです。確かにロボットは進化しましたが、未だに人間ほどナチュラルには歩けません。その原因は、この「蹴りながら歩行」だったのです。

ヒザ関節が鍵

 人間の歩行はロボットと違い、省エネです。この省エネによる歩行のことを受動歩行と言います。この人間特有の歩き方、「受動歩行」の仕組みを、義足やロボットの制御に取り入れられないかと考えています。
 この受動歩行の鍵を握るのは、ヒザ関節です。人間の歩行は、前に出す足を振り子にしています。すなわち蹴り足の力を抜き、自然の力に任せてその足を前に踏み出していのです。これを可能にしているのがヒザ関節です。蹴り足のヒザ関節をぶらぶらさせること=受動歩行と言えるかもしれません。
 しかし現時点では、受動歩行ができる義足を自由にコントロールすることは難しい状況にあります。つまりぶらぶらのヒザ関節を、自由自在に動かすことができないのです。確かに義足のほうの足で、着地と踏み込みはできるようになりました。ですが、蹴り足の課題は解決されていません。
 この自由自在に動けるような義足を、早急に開発し、その義足を地雷で足を失った子ども達に供給したいと思っています。工学研究によって、そういった子ども達が元気に走りまわれるような世界を創造したいのです。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 工学部

北見工業大学
工学部 機械工学科 教授
鈴木 聡一郎 先生

メッセージ

 これからは、本質を追求する時代です。工学においても、安全や幸せなどを体現するような研究をしていかなければなりません。今までは、肉付けの追求がメインだったような気がします。もののスピードや豊かさなど、「あればよい」ものの研究開発に尽力していたと思います。そのような状況で、研究は「人間」中心に焦点を当てていました。環境破壊などは、このような姿勢から生じたのです。地球上に存在するすべての生命の幸せを追求する、「本質的」な研究が求められているのです。

大学アイコン
鈴木 聡一郎 先生がいらっしゃる
北見工業大学に関心を持ったら

 「人を育て、科学技術を広め、地域に輝き、未来を拓く」北見工業大学では、高度化・複雑化している科学技術の急速な進展の中で、「個々の専門分野についての基盤的な技術、知識を有するだけではなく、学際領域や新しい分野の開拓にも柔軟に対応できる能力を持ち、自然と調和した科学技術の発展と国際社会への対応を念頭においた技術開発を行い得る人材を養成する」ことを使命としています。このことをもって、本学は地域社会の発展はもとより、国家・ 国際社会の安全と平和および文化の進展に貢献します。

TOPへもどる