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講義No.00972

触媒の役割について

意外? 身近に使われている触媒

 「触媒」と聞いて何を連想しますか? 「化学反応を促進するもの」というように学校では習いますが、触媒は、プラスチック、医薬品など、私たちの身の回りの工業製品を作るときには欠かせないものです。
 役に立つ物質を少量つくりたいときには、効率を考える必要はないでしょう。しかし、その物質を工業的に効率よく(資源を無駄にせず、環境を汚すことなく)生産するためには触媒が必要になります。工業的に行われるほとんどの化学反応で触媒が使われています。
 1909年、ドイツのハーバーとボッシュがアンモニアを作る触媒を見つけ、人類を食糧危機から救いました。彼らは数千種類の触媒候補を片っ端から試したそうです。しかし環境問題の解決が重要になり、新触媒の開発にスピードが求められるようになっています。そのためには、触媒活性を司っている本当の力を知る必要があります。

エネルギー・環境問題を解決する

 あらゆる工業の中で、ガソリンを作る、ということはもっとも大きな事業かもしれません。ここにも触媒が使われています。原油の成分は、ガソリン、灯油、軽油、重油、プロパンガスなどに分けられます。その中でいちばん需要が大きいのはガソリンです。重油は逆に余ります。仮に石油を掘ってきて、ガソリン部分を取り出し、重油を捨てたり燃やしたりしたら、すぐに原油が枯渇し、環境を汚してしまいます。そこで70年も前から、軽油・重油成分のクラッキング(分解)反応によってガソリン成分を増やすことが行われ、触媒の改良も間断なく行われてきました。この反応にはいまではゼオライトという優れた触媒が使われますが、その作用はとても巧妙です。このように触媒によって「必要なものを作る」例を挙げましたが、自動車の排気ガス中の有害成分を分解するなど「有害なものを消し去る」触媒もあります。このように触媒は環境問題の解決に貢献しているのです。

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この学問が向いているかも 工学部

鳥取大学
工学部 化学バイオ系学科 教授
片田 直伸 先生

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メッセージ

 私は、プラスチックや医薬品、燃料などを効率的に(資源を無駄にせず、環境を汚さず)作る固体触媒の研究をしています。例えばゼオライトという触媒では、原子数個の並び方を変えるだけで、原油からガソリンを製造する能力が現れます。いわば、触媒はウルトラナノテクノロジーによってエネルギー、環境問題を解決し、社会を支える縁の下の力もち。このような原理を明らかにし、効率よく次世代の触媒を設計するため、縁の下の、そのまた下の力もちのような研究を行っています。

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