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講義No.00327

星は宇宙空間の少数派

宇宙に広がる暗黒物質

 果てしない夢とロマン溢れる宇宙。遠くきらめく夜空の星と、底知れない真っ暗な闇とのコントラストがいかにも神秘的です。実は、その言葉どおり、宇宙は「暗黒物質」と呼ばれる物質で満たされています。太陽系のような小宇宙では、それを視野に入れることはなくても、銀河系やアンドロメダ星雲など、もっと広い範囲の宇宙を考えるときには、それが重要な意味をもってきます。
 銀河系は回転をしているため遠心力が生じるので、それに対して銀河系内の天体の重力がつりあっていないと、天体は銀河系の外に放り出されてしまうはずです。ところが、実際の天体の重力だけを計算すると遠心力に到底及ばないことがわかりました。そこで、「重力を生み出す別の何か」の存在の解明が進められました。その“何か”こそが、暗黒物質なのです。その実体は依然、謎ですが、重力を生み出すモノが存在するのは観測からも明らかです。そしてそれが宇宙空間の実に23%も占めているのです。
 暗黒物質に似た言葉としては暗黒エネルギーがあります。これは空間を押し広げる力、つまり負の圧力を持つエネルギーとして考えられています。この暗黒エネルギーは宇宙空間の73%を占めているので、宇宙の大半が暗黒エネルギーと暗黒物質で満たされていることになります。その残りの部分を星などの普通の物質が占めるわけですが、その割合はわずか4%に過ぎないのです。

宇宙空間は空洞だらけ

 しかも、星の分布は均等ではありません。もともと物質密度の高いところでは物質が連続的に集まり、銀河を構成します。そして物質密度の低いところはますます密度の低下が進んで真空の空洞となります。したがって、物質のあるところと、そうでないところの濃淡の差は広がるばかりです。
 残念ながら、宇宙は星のまたたく輝かしい世界などではありません。空洞と暗黒物質だらけの空間だということが最近の観測でわかってきているのです。

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この学問が向いているかも 惑星地球学

東京工業大学
理学院 地球惑星科学系 教授
中本 泰史 先生

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メッセージ

 大学で惑星科学の勉強をしたいと思ったら、高校生の間は、数学から物理学化学、地学、生物学と、幅広く興味を持って勉強することをお薦めします。惑星科学では、どんなものの見方も役に立ちます。しかし、全部の科目をまんべんなく勉強するのはしんどいですよね。そういう場合は、一部だけでもいいです。得意技を身につけましょう。その得意分野から惑星科学の勉強に入り、大学で幅を広げていけばよいでしょう。がんばってください。

先生の学問へのきっかけ

 決定的だったのは、大学で聞いたある教授の講義です。しかし、子どもの頃から関心は持っていました。小学生の頃、偶然手にした図鑑で星に興味を持ち、星や惑星、銀河にまつわる自然のからくりに触れ、面白みを感じました。大学生になって、地球の風景の延長線上にあって、手で触れられそうな惑星を面白いと感じました。そしてその頃、ある教授の講義で惑星形成論のおもしろさに圧倒され、この学問を深く学びたいと思いました。後からわかったことですが、その教授は私が中学・高校時代に好きだった天文学の本の著者でした。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教員、国立研究機関研究員、大学研究員、電機メーカー人工衛星開発、情報処理会社ソフト開発、石油会社プラント技術、電子機器メーカー開発、官公庁測量、コンサルタント会社システムエンジニア、会計監査法人アクチュアリ
(以上は全て、大学院[修士、博士]卒業後の進路)

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中本 泰史 先生がいらっしゃる
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 東京工業大学は、1881年設置の東京職工学校、蔵前に位置した東京高等工業学校を経て1929年に大学となって以来125年余の歴史をもつ我が国最大の理工系大学です。2011年に創立130周年を迎える本学は、常に時代のフロントを切り拓き、頼りになる理工系大学の役割を果たしてきました。密度の高い専門教育とユニークな卓越研究は東工大の存在を内外に認めさせるところとなっています。

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