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講義No.00009

モナリザスマイル

微笑はマナー違反だった

 現物ではないにしろ、誰でもレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作『モナリザ』を一度は目にしたことがあるでしょう。美人か否かの判定はさておいて、あの「モナリザスマイル」には物言いがつけられない。何とも素敵ではありませんか。
 じつは、あの笑顔にはちょっとした秘密が隠されています。まずは、「モナリザスマイル」そのもの。当時、教養ある女性が口元を緩めること、ましてや微笑むことはマナー違反とされていました。それにもかかわらず、後世まで残される可能性のある絵の中で、堂々と微笑みかけているのです。

天才の天才たるゆえん

 『モナリザ』が描かれるまで、女性をモチーフにした絵画は、横向きで描かれるのが常識でした。そのオキテを破って、あえて正面を向かせ、しかも“微笑み”を絵にした。その理由は、微笑むという動作を織り込むことによって、時間の経過を表現したかったからです。
 「微笑んでいる」すなわち、「~ing」にすることで、刻々と流れる時間の推移を連想させることができます。つまり、本来「静」でしかない絵の世界に「動」を持ち込んだのです。
 もう一つ。モナリザは指輪やネックレスなど、アクセサリーの類を一切身につけていません。一般の女性の感情からすれば、できるだけアクセサリーで装飾し、少しでもきらびやかに描いてもらいたいと思うはずで、それは当時も同じだったと思うのですが。
 その答えは、自然の微妙な光を表現したかったからです。薄暗い住居の入口に座っている人の顔には「光と影のこの上ない優美さ」があたえられる、とレオナルドは書いています。それを実現させるためには、装飾品が放つ人工的な強い光を排除する必要があったのです。
 いずれも「万能の天才」、否、「革命家」レオナルド・ダ・ヴィンチのなせる技と言えるでしょう。ただただお見事というほかありません!

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千葉大学
文学部 史学科 教授
上村 清雄 先生

メッセージ

 絵や彫刻などすぐれた美術作品には、人類がこの世界を見つめ感じ思考したイメージがうつしだされています。その豊かな内容は一冊の、いやそれ以上の数の本に匹敵するでしょう。イメージが伝えるメッセージをいかに読み解くのか、歴史をたどりながら一緒に学びましょう。そして、私たちの日常生活にあふれる視覚的なイメージの意味をあらためて考えるきっかけとなることを目指しています。

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