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琵琶湖・淀川流域の環境は大丈夫なのか?

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夢ナビライブ2012大阪会場にて収録

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川に降り注ぐ「雨」をモデルにしてみよう

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講義を視聴する(1分 その2)

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講義を視聴する(1分 その3)

30分動画

講義を視聴する(30分)

高校1年生 とてもわかりやすい説明で、環境について色々なことがわかりました。
高校1年生 ダイオキシンが減少していることにびっくりした。
高校1年生 琵琶湖の温度などをアニメーションで見て、夏と冬の温度や上昇するかしないかなど知れてよかったです。
高校2年生 内容濃かった。
高校1年生 ありがとうございました。琵琶湖にかぎらず、水・風などの流れに少し興味がもてた気がします。
高校1年生 計算で気温や天気が出せてすごいなあと思いました。
高校2年生 研究内容が濃く、根本的なところから考えていると感じた。
高校3年生 内容がとてもかんたんにわかりやすく、とても身近にかんじる。
高校1年生 琵琶湖の重要性を学べました。今後のことを考えると、今までのような生活を続けることができないと知った。
高校1年生 動態モデルを使用することによって、今後どうなるのかが理解でき、とても良かった。
高校1年生 もともと大阪大学に行きたいと思っていたがさらに行きたくなった。絶対に大阪大学に行く!!
高校1年生 モデルをつかうことで将来を予測することはすごいと思いました。ありがとうございました。
高校1年生 興味のある分野なので聞けてよかった。
高校2年生 動態モデルのことはあまり知らなかったが、淀川ばかりでなく世界のことを予測できると知り、興味が深まった。
高校3年生 環境は未来の私たちの生活に大きくかかわるので、もっと関心をもって関わりたいと思いました。
高校2年生 環境・エルネギー工学ではこんなこともするのかと思いました。各国で協力することが環境を良くするためとは不可欠だとわかりました。

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関心ワード
  • シミュレーション 、
  • コンピュータ 、
  • 計算 、
  • 微生物 、
  • プランクトン 、
  • 酸素 、
  • 生態系 、
  • 琵琶湖

講義No.g003366

5つの変数で琵琶湖を徹底的に分析する

琵琶湖の生態系が壊れている

 日本で一番大きな湖である琵琶湖では、今、その生態系が危機にさらされています。原因として考えられるのが、水底と水面の間での酸素循環の悪化です。
 夏場に繁殖期を迎えたプランクトンは、寿命がくると湖底に沈みます。その死骸が微生物によって分解されるとき、湖底の酸素が使われます。そのため、夏は湖底が貧酸素状態となります。しかし冬になれば、水面に近い部分の水が冷やされて対流が起こります。大気に触れて酸素をたっぷり含んだ水が、湖底に向かって流れていくのです。その結果、湖底の水に再び酸素が補給されます。この酸素循環サイクルが琵琶湖の生態系を守っていました。ところが近年は冬場の冷え込みが弱くなっているために、酸素を含んだ水が湖底に降りていかないのではないか、そんな仮説があります。

琵琶湖をサイコロ状に区切って計算する

 仮説を検証するため、琵琶湖内部の水流のシミュレーションモデルを作り、さまざまな計算を行っています。まず琵琶湖の中をサイコロ状の空間に区分けしていきます。そのサイズを小さく設定すればするほど、つまり区分けするサイコロの数が多くなるほど、計算の精度が高まることがイメージできるでしょう。
 計算のポイントは、サイコロとサイコロのつなぎ目の状態がどうなっているのかいかに正確に計算することです。

計算に使う変数はわずかに5つだけ

 仮説に基づいて計算式を作るために使う変数はたったの5つ、すなわち水温、水圧と水流で、水流は縦・横・高さの三次元で考える必要があるため、合計5つとなるのです。
 もちろん生態系の変化を調べるためには何年もの解析が必要ですが、わずか5つの変数で巨大な琵琶湖内部の水流を計算できるのです。最近では、計算に使うコンピュータの計算能力がアップしたこともあって、計算結果と実際の計測データがかなりの割合で一致するようになってきました。琵琶湖の生態系についての仮説が立証されつつあるのです。

関心ワード
  • 汚染 、
  • スモッグ 、
  • 森林 、
  • 環境 、
  • 地球 、
  • 日本 、
  • 中国 、
  • 公害 、
  • 大気汚染 、
  • 窒素酸化物 、
  • 偏西風 、
  • オキシダント

講義No.g003367

オキシダントによる大気汚染から日本を守る

汚れた大気の国籍を探れ

 日本で大気汚染が騒がれたのは、1970年代のことです。自動車や工場から大量に汚染物質が出され、全国各地で光化学スモッグなどが起こりました。その後日本では対策が徹底され、国内では汚染の元になる物質が排出されることはまずなくなりました。
 ところが、いまだに日本の大気はきれいになっていません。なぜなら、大気には国境がないからです。いくら日本国内で汚染物質を出さないよう努力しても、ほかの地域からいくらでも飛んできます。排出源を突き止めて、元からシャットアウトしない限り、日本の大気汚染は解消されないのです。

日本だけでは解決できない日本の大気汚染

 では日本に飛んでくる汚染物質は、どこで出されているのでしょうか。それは隣の中国からだろう、とは単純に言えないのが大気汚染の難しいところです。そもそも汚染物質は風に乗って日本に運ばれてきます。日本に向かって吹く風は基本的に偏西風で、風は西から吹いてきます。
 確かに中国は日本から見て西に位置していますが、その中国にも風は西から吹いてきます。結局、風は地球全体をぐるぐるまわるように吹いているので、汚染物質の元をたどるとヨーロッパから、はるか彼方のアメリカにまで行き着く可能性もあるのです。

複合的な要素をいかに解きほぐして計算するか

 汚染物質には寿命があります。いったん風に乗っても、すぐに落下してしまう物質はほとんど環境に影響ありません。問題は一度風に乗って飛ぶとなかなか落ちない物質で、その代表といえるのがオキシダントです。
 濃度が高いと人間に対する急性毒性や、植物に対する成長阻害を引き起こすオキシダントの発生源はどこなのでしょうか。人為的には窒素酸化物や炭化水素から出てきます。また炭化水素起源のオキシダントは森林からも出ています。複合的な要因が絡み合っているため、オキシダントの発生源を突き止めるのは至難の業ですが、問題解決には欠かせない課題として研究が進められているのです。

この学問が向いているかも 環境工学、エネルギー工学

大阪大学
工学部 環境・エネルギー工学科 教授
近藤 明

メッセージ

 水は、なぜ低い方へ流れるのか不思議に思ったことはありませんか? 高いところから低い方へ、確かに水は当たり前のように流れます。その理由が重力にあることも知っているでしょう。これは単純な例ですが、科学の原点は、こうした日常の現象に目を向けることに意義があります。何かが変化しているのなら必ず原因があるはずで、それが因果関係と言えます。どんなささいなことでも構いません。何かに「あれっ?」と思ったなら、そのままやり過ごさずに、変化の裏に潜む因果関係について考える習慣を付けてください。

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